内容説明
僕には生きる価値などない気がします。ただの人殺しですから…僕は。男性2人に集団で凄惨なリンチを加えた挙げ句、生き埋めにして殺害した小林竜司。小林との対面・文通を重ねてきた著者が、自信の半生を省みながら、死刑適用基準の曖昧さや、真実の贖罪とはなにかについて考察したノンフィクション。
著者等紹介
岡崎正尚[オカザキマサナオ]
1985年生まれ。高崎経済大学経済学部経済学科卒業。現在、日本大学大学院法務研究科法務専攻に在学。神奈川県在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gtn
7
被告小林竜司に対し、友人も証人として、そんなことをする奴じゃないと口をそろえる。人望もそれなりにあったようだ。小林は、一審死刑を認めた上で、「その場の空気というか、狂気というか、そういうものかなあと思いますけど、自分でもよく、わかっていません」と当時の心境を語る。事件は、殺意なき狂気で起こる場合がある。当然、死刑は事件の抑止力にはならない。2019/04/20
にしの
5
凄惨なリンチで2名の命を奪った死刑囚と法科大学院生である筆者との交流を通じ、筆者はとある結論へと至る。彼らのやりとりには立場を超えて生まれた友情を感じる。さながら檻の中のガキ大将と真面目っ子という印象だ。 法曹の世界へ飛び立つ前の大学院生には、検察、弁護士、刑務官など実際の職業的な役割がない。学びの途中の大学院生が死刑制度反対を論じるには早いという意見もあるだろうが、職業による固定観念が廃されているからこそ、筆者の人間としての言葉が聞こえる。熱意を感じた一冊。
Lifetime
1
この事件自体は他の重大事件と同じように知っていたが年報・死刑廃止の2014年版アンケートで小林竜司だけが(慇懃無礼なほどに)反省の意を示している内容を書いており、そこから特別に興味を持ちこの本に辿り着いた。 共犯の廣畑や他の死刑求刑事件との量刑均衡がとれていない疑いがあることや弁護士があまり良くなかったこと(特に控訴審)など、知らないことがやはり多かった。 また前述のアンケートの内容も決して慇懃無礼などではなく小林生来持ち合わせている性格に由来するものなのだということも手紙や友人らの証言からわかった。 2024/02/25
ポルターガイスト
1
「僕の友達を殺さないで!」という本。話題は日本における厳罰化の流れや加害者遺族の苦しみ,法科大学院の実態など日本の法制度をとりまく問題について扱われていて多岐にわたるが,死刑を求刑された殺人者と社会性の欠如に苦しむ法学生の間で交わされる書簡とそこから生まれる不思議な友情が全体の基調になっていて,不思議と散漫な印象はない。それが死刑制度のあり方に対する適切な問題発議のアプローチなのかは賛否両論ありそうですが,少なくともこの筆者にしか書けない静かな熱さはこもっている。殺人者の書簡から伺える人物像に驚き。2017/06/19




