内容説明
汚れながらも純潔を守り、18歳で夭折した天才美少女画家時任純子。著者の自伝的な要素を踏まえながら、一人の女性への思いを綴った悲恋小説の傑作。
著者等紹介
渡辺淳一[ワタナベジュンイチ]
北海道生まれ。医学博士。1958年札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療のかたわら小説を執筆。1970年「光と影」で直木賞を受賞。1980年に吉川英治文学賞を、2003年には菊池寛賞などを受賞する。作品には初期の医学を題材としたものから、歴史、伝記的小説、男と女の本質に迫る恋愛小説と多彩で、医学的な人間認識をもとに、華麗な現代ロマンを描く作家として、現在文壇の第一線で活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おしゃべりメガネ
144
おそらく渡辺淳一先生の作品は本作が初読みだったかと思います。道東に長らく住んでいた身としては、やはり「阿寒」という地名に引き寄せられ、しかも北海道出身の作家さんとなれば読まないワケにはいかないと思い、手に取りました。作者さん本人の自伝的要素もあるようで、なかなか小説とはいえ、何か一線を超えたリアリティを垣間見る感じがします。主人公ともいえる天才美少女画家の短い一生を、阿寒の美しい情景描写とともに、少女のココロの移ろいを流れるように綴る作者さんの筆力にひたすら言葉を失い、ただ感嘆して読みふけってしまいます。2011/02/08
Naoko Hanada
0
職場の方に貸して頂き読みました。冬に似合う本でした。静かな気持ちになれた。近所の!?阿寒がでてくる。