内容説明
母親にひっぱられて、中学生の沢崎瞬太が訪れたのは、王子稲荷ふもとの商店街に開店したあやしい占いの店「陰陽屋」。店主はホストあがりのイケメンにせ陰陽師。アルバイトでやとわれた瞬太は、じつはキツネの耳と尻尾を持つ拾われ妖狐。妙なとりあわせのへっぽこコンビがお客さまのお悩み解決に東奔西走。店をとりまく人情に、癒やされるほのぼのミステリ。単行本未収録の番外編「大きな桜の木の下で」収録。
著者等紹介
天野頌子[アマノショウコ]
長崎県佐世保市生まれ、東京外国語大学ドイツ語学科卒業。らいとすたっふ小説塾を経て、2005年『警視庁幽霊係』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
和夜
141
良い意味でも悪い意味でもポプラ社!って感じの本でした。良く言えばすらすら読みやすく、悪く言えば少し物足りないかな。小中学生が対象なのかな?祥明良い性格してますねー。嫌いじゃないです。瞬太も可愛くて癒されますけど、唯一祥明のお母さんだけは受け付けられませんでした。何だろう……気持ち悪い。祥明が頑なに距離を置くわけがわかります。瞬太の実の両親の事も気になります。続き読もー。2017/06/24
masa@レビューお休み中
131
陰陽師?占い?どんなお話なんだろうと思ってると…なんと陰陽師のお話ではなく、イケメン占い師・安倍祥明の屋号が『陰陽屋』なのである。とあることがきっかけで主人公の瞬太は陰陽屋でバイトをすることになるのですが…。祥明と瞬太の凸凹コンビは意外にいいですね。祥明はお金が絡むと営業スマイルですこぶる優しいけど、実は超毒舌だし、瞬太は裏表なさすぎて、発言も行動もど直球なんです。二人の会話を見ているだけでも楽しいですね。瞬太は実は王子稲荷で拾われた妖狐。でも、妖狐っぽくなくてかわいいのもまたほのぼのしていていいのです。2012/10/29
タックン
94
以前にここの感想で気になってブックオフで買ったまま積読になってたのにドラマ化されると聞いて慌てて読んだ(笑)陰陽だから妖しいかと思ったら、ほのぼのストーリーでちょっと拍子抜け。元ホストのイケメン偽陰陽師が日常の謎を巧みな話術と勘で解決する流行の日常ミステリーかあ・・・楽に読めるから箸休めにいいかもね。でも偽陰陽師って言っても大学院まで行って陰陽学を学んでいたみたいだから驚いた・・・・。やっぱ、半分狐の瞬太が1番ミステリーで気になるなあ?2013/10/05
優希
89
面白かったです。イケメンにせ陰陽師とキツネ耳の中学生が活躍するほっこりミステリーでした。元ホストの祥明が開いたのは怪しい占い店「陰陽屋」。妖狐の瞬太をアルバイトに雇い、様々な悩み解決に乗り出すのですが、その奔走ぶりに何だか癒されてしまいます。町の雰囲気が穏やかだからでしょうか。祥明と瞬太の凸凹コンビがいい味を出していました。祥明のインチキが意外と正論だったりするのが面白くて笑えます。瞬太を見守る人たちの優しさも微笑ましく。シリーズ色々出ているようですが、ちょっと軽いので他の作品を読むか迷うところです。2016/03/30
ばたやん@かみがた
78
陰陽道と祥明のフェイスをだしにして相談を承っているので事件らしきものは毎回持ち込まれている。だが、何の造作もなく解決してしまうので他愛がない。祥明や瞬太も訳ありで、時にそのことが主題に取り上げられる回もある。しかし、当事者がさほど深刻に捉えている風ではないので話が荒れる要素はさらにない。それでも読者を惹き付けて止まないのは、登場人物の誰もが半妖の瞬太を時に溺愛し、時に生暖かく見守ることのできる善性を持っているからだ。真にこの作品での王子はユートピアなのである。2018/06/27