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百年文庫

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  • サイズ B6判/ページ数 147p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784591121818
  • NDC分類 908.3
  • Cコード C0393

内容説明

「旦那様」の財布を目当てに、荒くれ者が真夜中の家を襲う。気丈な娘が孤独と闇に立ち向かう(コリンズ『黒い小屋』)。「おら達も、もう直ぐ別れなくっちゃなんねえだ!」―愛情込めて育てた南瓜が何者かによって盗まれた。乾いた土地に生きる老人の逞しさ(アラルコン『割符帳』)。大聖堂の玄関脇に陣取り、物乞い人生を送る老人ハンス。若き友との出会いと別れ、そして意外な結末(リール『神様、お慈悲を!』)。勇気と情愛でわが運命を切り開く人々の物語。

著者等紹介

コリンズ[コリンズ][Collins,Wilkie]
1824‐1889。イギリスの小説家、劇作家。ロンドンに生まれる。一時、画家や法律家を志すが、ディケンズらと交流を結び、本格的に作家を志す。1860年の『白衣の女』は大成功を収め、『月長石』は探偵小説として高く評価された

アラルコン[アラルコン][Alarc´on,Pedro Antonio de]
1833‐1891。スペインの小説家。南部の町グァディスに生まれる。スペイン・モロッコ戦争での従軍記録、『アフリカ戦争従軍記』で作家デビュー

リール[リール][Richl,Wilhelm Heinrich]
1823‐1897。ドイツの小説家、文化史家。ナッサウ公領(現ヘッセン州)に生まれ、ボン大学で哲学、歴史学、美術史を学ぶ。1883年に貴族の称号を得、バイエルン国立博物館館長に就任した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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モモ

42
コリンズ『黒い小屋』ニフトン夫人から預かった財布を狙い父が留守中に泥棒がやってくる。まだ電気がない蝋燭の明かりの家に入ろうとする二人の男に必死に立ち向かう娘。その後のご褒美のような出来事にホッとする。アラルコン『割符帳』乾いた土地で丹念に世話され育つ野菜。そんな名前までつけていた南瓜が盗まれる。激怒した老人は盗まれた南瓜の茎を持ち、割符で見つけ出す。爽快。リール『神様、お慈悲を!』誇りをもって乞食をしているハンス。愛しく思うファイトに遺した遺品が意外なもの。どれも今から200年ほど昔に生まれた作家の作品。2022/12/31

臨床心理士 いるかくん

38
3人の作家の3篇の作品から成るアンソロジー。守るべきもの、失ってはならないもの。2015/01/28

あじ

33
“与えることは受けるより尊い”師弟関係を越えたホームレスの境地を短篇の枠で見事に描いた【リール/神様、お慈悲を!】が絶品。そして父不在中に押し入った泥棒と細腕で太刀打ちした娘。自らが呼び寄せた転機とは、、【コリンズ/黒い小屋】盗まれた南瓜がどれとどれなのか、衆目の前で鮮やかな手法を用い言い当てる【アラルコン/割符帳】名品揃いの『転』でした!2020/02/07

TSUBASA

25
客人が一人娘に財布を預けるも、運悪く荒くれ者に知られ、家を襲撃される。コリンズ『黒い小屋』。百姓爺さんの大事な南瓜を盗んだ容疑がかけられた近隣の百姓に爺さんが突き出した驚くべき証拠。アラルコン『割符帳』。誇りを持って乞食をしているハンス爺さんと、似た境遇で意気投合した若者ファイト。二人の人生に転機が訪れるも、変わらぬ友情と敬意。リール『神様、お慈悲を!』収録。ストーリーにおいて重要な起承転結の「転」であったからか今回は3編ともとても面白い。特にリールは滑稽で笑えるけども互いの思いやりに泣ける傑作だった。2016/11/27

18
コリンズ「黒い小屋」アラルコン「割符帳」リール「神様、お慈悲を!」の一発逆転な三篇。気の強い女の子が強盗からお札を守るホームアローンな黒い小屋もよかったし、こじきとして死んだ父から思いがけない財産を相続するこじきにすらなれない息子を描いた神様、お慈悲を!も傑作。2021/12/19

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