内容説明
房雄の心は則子と綾子、二人の異性の間で揺れ動く。青春期の抑えきれない胸の高鳴りが聴こえてくる小川国夫の『心臓』。小学生の象一は、道草をして工場町の石垣に小さな「動物園」を作った。そこへ筑紫という少女が現れて…モダニズム作家・龍胆寺雄が描く子どもたちの旅課後(『蟹』)。「悪にはどんな小さな場所でも決して作ってやってはいけませんよ」。最愛の母を裏切ったことを悔いるうら若き女は、ある衝撃の事件を告白した(プルースト『乙女の告白』)。未熟ゆえに烈しく、秘められた心を描く三篇。
著者等紹介
小川国夫[オガワクニオ]
1927‐2008。静岡県生まれ。東大在学中にフランスへ留学し、帰国後『アポロンの島』を発表。後に島尾敏雄に評価され、注目を集める。地球海や郷里を舞台にした作品が多く、代表作に『逸民』(川端康成文学賞)などがある
龍胆寺雄[リュウタンジユウ]
千葉県生まれ。本名・橋詰雄。慶大医学部を経て、『放浪時代』を発表。流行作家となるが、文壇を批判する『M・子への遺書』を発表して波紋を呼んだ。サボテン研究家としても知られる
プルースト[プルースト][Proust,Marcel]
1871‐1922。パリ西部のオートゥイユ地区に生まれる。1896年に初の著書『楽しみと日々』を出版。初期には、没後に刊行された『ジャン・サントゥイユ』などを執筆する。生涯、全7篇におよぶ大作『失われた時を求めて』に取り組んだ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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