百年文庫

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  • サイズ B40判/ページ数 181p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784591121467
  • NDC分類 908.3
  • Cコード C0393

内容説明

なぜ私はだまされたのか?彼の顔を読み違えたのか?生命保険会社で長年、訪れる客を審査してきた「私」が遭遇した意外な復讐劇(ディケンズ『追いつめられて』)。パリの雑踏で出会った「善良な悪魔」に魂を売り渡した男が、地下の豪奢な屋敷で繰り広げる不思議な対話(ボードレール『気前のよい賭け事師』)。イールの街で掘り出された青銅のヴィーナスに魅入られた男たちの異教的な恐怖体験を描いたメリメの『イールのヴィーナス』。欺かれる快感をどうぞ。

著者等紹介

ディケンズ[ディケンズ][Dickens,Charles]
1812‐1870。イギリスの作家。貧しい少年時代を送り、12歳から働き始める。鋭い観察眼を生かした短篇で人気を博して以降、つねに人気作家の地位を保ち続けた

ボードレール[ボードレール][Baudelaire,Charles]
1821‐1867。フランスの詩人・美術評論家。パリ生まれ。美術評論家としてデビューし、1857年に詩集『悪の華』を発表。後の象徴主義に影響を与え、フランス近代詩の源流となった

メリメ[メリメ][M´erim´ee,Prosper]
1803‐1870。フランスの作家・考古学者。パリ生まれ。優れた短篇作家として活躍したほか、官吏として古い遺跡や建造物の保護・修復に努める。第二帝政時代には上院議員を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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モモ

46
ディケンズ『追いつめられて』生命保険会社で働くサンプソン氏は訪れたスリンクトン氏に嫌なものを感じる。そして事件は起きる。まさに追いつめられる様子が良かった。ボードレール『気前のよい賭け事師』知り合いでもないのに交流する様子を不思議に思っていると、なるほどそういうわけですか。メリメ『イールのヴィーナス』イールで地中からローマ時代のヴィーナス像が見つかるも、次々と不幸なことが起こる。地味に怖い。『もしこの女が汝を愛したら、気をつけるがよい』その通りのことが起こる。だから地中に埋められてた?読み応えのある一冊。2022/11/20

ワッピー

38
【日本の夏はやっぱり怪談】「異界幻想」(進行中)から派生。保険会社と詐欺師の戦い 「追いつめられて」(ディッケンズ)、悪魔大王と皮肉な祈り「気前のよい賭け事師」(ボードレール)、そして今回の目的のメリメ「イールのヴィーナス」を収録。イールを訪れた私が地方の好古の士のもとで体験した怪事件。名士の総領息子の結婚式の夜、新床に現れた恐ろしい訪問者は自分の権利を主張する・・・。異教とキリスト教の対立とも、古代と現代の価値感の対立とも読めるものの、物理的な脅威という意味ではモンスター系に属する地方色満載の名編です。2021/06/17

神太郎

37
『追いつめられて』は復讐劇というが、そこまでとは感じなかった。ただ、最後のグイグイと追い込んでいく感じは迫力があった。『気前のよい賭け事師』は神様に悪魔が約束を守るようにと祈るオチが面白い。『イールのヴィーナス』はこの巻のなかではベストと言える奇怪な話であった。作者自身もこの作品を気に入っていたらしいが、僕もこれは素晴らしい短編だと思う。展開も良く、途中から描かれる奇々怪々な雰囲気は怪奇小説などが好きな人にはたまらないと思う。2020/01/08

臨床心理士 いるかくん

32
顔がテーマの3篇から成るアンソロジー。ミステリー感覚にあふれたディケンズの「追いつめられて」が白眉だが、他の作品も水準を遥かに上回る作品集2014/03/12

マッキー

21
メリメ「イールのヴィーナス」は無機質な像をめぐる少し奇妙で不気味なお話。三島由紀夫の「美神」を思い出した。2017/03/14

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