内容説明
暇を持て余していた、小学五年生の加納圭太は、弟の広太を誘い昔通った「バスの図書館」へ行ってみる。管理人のおじいさんが亡くなって以来使われずにいた「バスの図書館」は、かつての面影を失い荒れ果てていた。こっそりとバスに忍びこみ「秘密基地」にした二人だったが、ある日、家出少年の富士田順平が押しかけてきて…。少年たちの成長が瑞々しく描かれた、ひと夏の青春ストーリー。
著者等紹介
大島真寿美[オオシママスミ]
1962年愛知県生まれ。92年「春の手品師」で第74回文學界新人賞を受賞。『宙の家』で単行本デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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エンリケ
37
僕らの世代の少年時代には誰もが持っていた秘密基地。それは限られた仲間で共有する狭い空間。当時は一人の部屋を持つ子供が少なく、そこは唯一自分だけのテリトリーだった様な気がする。この作品の登場人物の場合は打ち捨てられた移動図書館のバスの中。かなり広い空間を自由に使えるなんて垂涎。子供達のワクワクがよく伝わって来た。そこで経験するひと夏の冒険。大人から見れば細やかでもそれは大事件。その経験は少しく彼らの成長に繋がった様だ。とても優しい児童文学。短かったが色々な要素がぎゅっと詰まった良作だった。2016/11/14
ロマンチッカーnao
18
バスの移動図書館をやっていた、おじいさん、おばあさんが高齢になり、いつの間にか廃止になり、そのバスは、当時のまま朽ち果てていく。それを兄弟二人が発見し、秘密基地にする。そして、家出中学生も加わり、移動バス図書館が少しずつきれいになっていく。そこに、高齢で引退していたおばあさんも登場してくる。子供向けの話しですけどね、秘密基地とか、僕も好きでしたね。懐かしくなるお話でした。2021/11/04
なないろ
6
こんなに楽しい夏休みを過ごせたらどれほどの思い出になるんだろうと思いました。バスの図書館…こんなところがあればいいなーと思いました。2014/07/20
やな。
2
1時間ほどで読了。“バスの図書館”というだけでワクワクした。更にそこを秘密基地にし過ごした夏休み。素敵なおわり・はじまり…2012/11/02
あっぺ
0
活字が大きくて、子どもたちにも読みやすいんじゃないかな? とてもいいお話でした。 そういえば、移動図書館ってあったな~。2016/04/15