ポプラ文庫
優しい子よ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 253p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784591111925
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

身近に起きた命の煌きを活写した感動の私小説。重い病に冒されながらも、気高き優しさを失わぬ「優しい子よ」、名プロデューサーとの心の交流と喪失を描いた「テレビの虚空」「故郷」、生まれる我が子への想いを綴った「誕生」、感涙の全四篇。

著者等紹介

大崎善生[オオサキヨシオ]
1957年、札幌市生まれ。2000年、デビュー作『聖の青春』で新潮学芸賞を受賞。2001年『将棋の子』で講談社ノンフィクション賞。2002年、初めての小説作品『パイロットフィッシュ』で吉川英治文学新人賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Take@磨穿鉄靴

64
大崎氏の私小説。表題作の「優しい子よ」は純度100の善意の子供が出てくるけど根性のねじくれた自分としてはあまり響かなかった。少しの闇も無い純粋な善は眩しくて正視出来ない。そして魅力を感じない。人には必ず影がある。それを無視して「どうです?スゴい優しい子でしょ?」と押し付けられている印象。自分なら他人に見せびらかさずに心の中に大切にしまっておきたい。授業をサボって麻雀やって先の事を何一つ考えられなかった高校時代だけは自分と重なり共感出来た。ダメなやつだ(^_^)そこだけは分かる。★★☆☆☆2018/10/06

ふじさん

57
「聖の青春」を書いた大崎善生の身近に起きた命の煌きを描いた感動の私小説。一人の難病の少年との出会いと別れからはじまり、一つの生命の誕生で終わっている。その二つの物語に、長野オリンピツクの総合プロデューサーでテレビマンユニオンの萩元晴彦の七十日間に及ぶ彷徨とその結末の物語が挟み込まれている。どれも心打たれる内容で読み応えのある作品になっている。 2020/08/06

ちょこまーぶる

51
読後は優しい気持ちにさせてもらえた一冊でした。4編の私小説ですが、どれも涙無くしては読み進めれないという感じでしたが、中でも表題作の「優しい子よ」の命の尽きる宣告されている茂樹君と作者の妻で女流棋士の和さんとの手紙のやり取りや茂樹君の親とのやり取りを目で追っていく度に涙で霞んでしまいましたが、しっかりと読まなければ茂樹君に失礼な気がしてしまったぐらいでした。そして、「誕生」では作者夫婦に誕生する子どもの話ですが、茂樹君の誕生時の親の気持ちが僕の中では同一視してしまっていましたね。優しい読書時間でした。2019/10/08

とびほびこび

38
健康に生まれ、健康に育ち、時に苦難と挫折を味わいながらも立派に成人していく。親としてのささやかな願いがいかにかけがえのない願いであるか。若くして旅立った茂樹との事、名プロデューサー萩元氏との出会いと別れ、そして我が子の誕生を描いた四編。死生観というと仰々しく感じるが、我が子が生まれてきた時の事が思い出され、命の尊さを改めて感じた。「全ての芸術はたった一人の人間の熱狂から始まる。」萩元語録も印象深い。2015/02/11

Atsushi Saito

25
ひさびさ再読本。 もう治る見込みのない病を患った少年と筆者の妻との交流。筆者と30歳も歳が離れた友人の萩元老の死。そして筆者47歳にして初の息子の誕生。 生と死が書かれた作品。 茂樹少年の優しさに心打たれる。俺らも彼を知り、思うことで亡くなってもそこにあり続ける。2015/10/15

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