内容説明
12歳の少女キャスは、父さんが建てた高いフェンスのすきまで、同い年のジェミーと出会った。となりにひっこしてきた黒人の少女ジェミーは、キャスといっしょで走るのが大好き。黒人ぎらいの父さんにはないしょで、ジェミーとの秘密の交流をつづけるキャス。でも、ある日、おたがいの家族に見つかってしまい…。
著者等紹介
フォゲリン,エイドリアン[フォゲリン,エイドリアン][Fogelin,Adrian]
フロリダ州タラハシー在住。『ジェミーと走る夏』で作家デビュー。米国ヤングアダルト図書館サービス協会(YALSA)の最優秀図書に選ばれるなど、高い評価を受ける
千葉茂樹[チバシゲキ]
北海道在住。国際基督教大学卒業後、児童書編集者を経て、翻訳家として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
17
本作の原題はCrossing Jordan=ヨルダン川を渡る、となる。黒人霊歌の一節で、歌自体は魂がヨルダン川の向こう=約束の地=天国へぶじに渡ることができるよう天使ミカエルに助けてもらうという内容である。また、旧約聖書では、イスラエルの民が、モーセの死後その後継者で新しい指導者ヨシュアに率いられて、ヨルダン川を渡り主なる神が彼らに与えると約束した地カナンに入るという逸話がある。つまり、ヨルダンを渡るということは「これまで一度も通ったことのない道」を歩むことでもある。本編のタイトルの意味は後者に近い。2025/06/16
ぱせり
5
なんとも言えず爽やかな、二人の少女の勝利と自立の物語。「おまえたちふたりが仲良くしているところを見ているとね、あたしは思うんだよ。いつか、なにもかもが変わる日がくるかもしれないって。なにもかもが、よくなる日がね」 グレースばあちゃんの言葉そのまま、物語が作者の祈りのように感じました。いつの日か、これが本当のことになると信じたい。2009/11/09
joyjoy
4
グレースばあちゃんのような存在がそばにいてくれたらいいな。「自由への夢はね…ちゃんと見て、ちゃんと耳をかたむけるものには、なんでもない景色のなかにかくされているんだよ」、「よりよい場所っていうのはどこにだってあるのさ。正しい道を歩んでさえいれば、この世界だって天国なんだよ」。 走りたくなる。歌いたくなる。「ジェーン・エア」をまた読みたくなる。2020/07/28
7petit
3
お父さんが最初につくってしまった大きな壁。ジェミーとキャスの友情が深まるにつれて、頑なな心を持った周りの大人たちの壁も少しずつ低くなっていきます。 人種問題や低所得家庭の問題を扱っていますが、チョコレートミルク(2人のチーム名)の走りのように爽やかで読後に希望が感じられるおすすめの一冊です。2013/05/02
遠い日
3
キャスとジェミーの12歳の夏。走ることで結ばれ、1冊の本を共に読むことで絆を深める二人を、大人の偏見が引きさく。彼女らの友情の堅さに引っぱられるかたちで、徐々に理解をし合おうと努力するおとなたちの姿は、まさに苦々しい現実だ。力強く駆け抜けたひと夏の物語。2009/10/26




