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ポプラ文庫
感傷旅行(センチメンタル・ジャーニィ)―Tanabe Seiko Collection〈3〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 217p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784591108352
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

共産党員のケイを本気で愛するが、みのらない有以子。傷心を抱えたまま親友のヒロシと旅行にでかけようとするが…(「感傷旅行」)。芥川賞を受賞した表題作ほか、様々な思いを抱え旅に出る男と女の物語を集めた短篇集。巻末に著者インタビューを収録。

著者等紹介

田辺聖子[タナベセイコ]
1928年大阪生まれ。樟蔭女子専門学校国文科卒。’64年「感傷旅行」で、第50回芥川賞を受賞以降、受賞多数。古典の現代語訳やエッセイも手がける。’95年紫綬褒章受章、’00年に文化功労者となり、’08年文化勲章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

196
第50回(1963年)芥川賞。 ぼくと 有以子さんの物語である。 男に次々と惚れてはフラれていく歳上の 有以子さんと ぼくとの関係が 読んで楽しい。 軽薄な内容を、軽やかに軽薄に描いたこの物語、党員ケイの立ち位置が 時代を感じさせる本だった。 2017/08/10

ヴェネツィア

124
1963年下半期芥川賞受賞作。田辺聖子は初読だが、この人に対するステレオタイプ的なイメージは持っていた。それからすれば、芥川賞作家だというのは意外だった。オオサカの放送界の男女が主人公だが、それに対置されているのが、線路工夫で共産党員のケイだ。ただし、ここで語られる「党」は時の世相を反映してはいるものの、きわめて図式的だ。倉橋由美子の「パルタイ」(1960年。芥川賞の候補にはなるが落選)が直ちに連想されるのだが、その後も含めてこの両者の階梯は大きい。世界や世間に対する向かい方が決定的に違うのだろう。2014/01/21

kaizen@名古屋de朝活読書会

105
芥川賞】一瞬自伝かとも思う。物書きの女性と若い友達が主人公。惚れやすい女性の一時の感傷旅行。日常生活と作品上の架空の話が交差しているような錯覚に陥る。著者が大阪生まれだから、場面が大阪であることがしっくりする。2014/10/28

優希

71
第50回芥川賞受賞作を含む4編からなる短編集です。どの作品も旅がテーマ。それぞれの作品が乙女心や女性としての感情を刺激してきました。表題作『感傷旅行』は失恋小説ながらも何故かほっこりします。実らない恋をし、その傷心から親友のヒロシと旅に出る有以子がちょっとイタいですが、それすらユーモアに感じます。終始ワガママで自分勝手な有以子ですが、そのパワフルさには惹かれました。他の作品でもそれぞれの想いを抱え旅に出る様子が軽やかでした。嫌なことは旅に出てリフレッシュというスタンスがいい。この爽やかさが好きです。2015/07/21

そら

43
芥川賞作品「感傷旅行」と他3編。巻末のあとがきを読むと、作者は大衆文学を目指したいと書いてあった。なるほど。「感傷旅行」は、ラストがいかにも芥川賞(笑)。陰、闇、病み。他の3編は陽。読んでて、爽快。←仕事が出来て、自分の意見や思いがハッキリしてる女性が、なんだかんだ悩みつつも人生を謳歌している話。「感傷旅行」は、大衆派の私個人的には、そのまま男女の友情話で終わってくれたら良かったな。だったら芥川賞は獲れなかっただろうけど。有以子のダメ女っぷりには拒否反応(^_^;)。2020/02/05

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