内容説明
このあたたかいよろこびをあなたにもとどけたい…。『ねずみの騎士デスペローの物語』の著者ディカミロが贈る、あたたかでやさしい、クリスマスの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
匠
132
クリスマスで賑わう冬の街。舞台は50年以上前のアメリカ。街角で暮らすオルガン弾きのおじいさんが気になって仕方ない、心優しい女の子フランシス。子どもの頃通っていた教会のクリスマス会を思い出しながら読んだ。本物じゃなくても、天使を演じたフランシスの心は天使そのもの。どのページにも現実が描かれているけれど、粉雪がこんなにあたたかく感じるなんて、やっぱり奇跡なのかもしれない。それにとにかく、バグラム・イバトーリーンの描く写実的な素晴らしい絵が久しぶりに見れて感動した。まるで映画の予告編。この後の話を繋ぎたくなる。2014/07/28
greenish 🌿
51
凍てつくような冬の路上で夜を明かすオルガン弾きの老人と小猿に、天使の衣装をまとった幼い少女の温かな愛が降り注ぐ・・・ ---セピア色に靄がかかったようなバグラム・イバトゥーリンの絵。心の奥深くに沁み渡るような温かさに満ちています。 「よろこびを おとどけします!」少女・フランシスのキラキラとした瞳と、頬の緩んだオルガン弾きの表情。いつまでもその情景を思い浮かべていたくなりますね。 少女の胸に宿った《慈しみ》の心、いつまでも育んでいって欲しいと願わずにはいられません。2014/01/18
小夜風
33
【図書館】なんて美しい絵本。全ての頁がそのままポストカードになりそうなくらいドラマチックで素敵です。寒い街角に立っているオルガン弾きの老人と小猿に心を痛めるフランシス。いたいけな少女に一体何が出来るのかと思いましたが、教会でのお芝居の台詞が胸に迫りました。老人の表情の変化も良かったです。クリスマスって本来はこういうものなんだなぁ。追記:挿絵は「マッチ箱日記」のバグラム・イバトゥーリンです。この本ではイバトーリーン。2014/07/28
り こ む ん
25
街角に立つオルゴール弾きと少女のお話。クリスマスの夜、天使の役の少女が印象的。2014/01/17
けんちゃん
25
「愛をみつけたうさぎ」のケイト・ディカミロさんとバグラム・イバトーリーンさんのコンビ作品です。子どもが純粋に抱く疑問と願い、それは時として大人には受け入れがたい事情があります。ずっと気になっていたことを勇気を出して声に出したフランシス。そしてクリスマスの日、教会で行われたページェントで天使に扮したフランシスが語った言葉、すばらしくて涙が出ました。クリスマスは本当に喜ばしい出来事です。すてきな本に出会えました。2011/12/24
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- 和書
- 処刑6日前 創元推理文庫