出版社内容情報
料理の神様、お願いします――衝撃的な失恋のあと、倫子は故郷に戻り実家の離れで食堂を始める。ある噂とともに店は評判になるが。
家、家財、声──全てを失って、はじめたのはメニューのない食堂。三ツ星新人作家登場!心もおなかも温まる、読んでおいしい物語。
著者等紹介
小川糸[オガワイト]
1973年生まれ。作詞家・春嵐として音楽制作チームFairlifeに参加(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
おいしい本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
にいにい
430
初小川糸さん。食べることの素晴しさ、食で人生も変えられるんだと訴えかけた作品? 風景、空気が綺麗な田舎で、採算を無視して、お客の為だけに料理する。その料理によって、心が洗われる。おいしそうな、暖かそうな、心がこもった「もてなし」。それらが、読者にも真っ直ぐ届く。エルメスやおかんの手紙には、ウルっとさせられた。読んでいてちょっと幸せになる一冊。ただ、声の話やネオコンの絡み、インド人の恋人がこの物語に不可欠だったのかは、疑問が残る。BLのチョコムーンも本編と抽出があって面白い。2014/03/04
takaC
319
ふぐパーティーまで(起・承部)は比較的惰性で読んでいたが、急転直下の転・結部は貪るように読んだ。この展開&結末に繋げるための計算尽くの前半なのだとしたらなかなかのテクニシャンですね。ネオコンがどうなっちゃったのかが良くわからないけど。2010/11/30
mura_ユル活動
244
狙ったような描写が多いと感じましたが、結局、その人の存在価値があるかどうか、人のためになっているかどうか、そんなことが問われているのだと思います。「食堂かたつむりの料理を食べると恋や願い事が叶う」と。2012/08/19
ミナコ@灯れ松明の火
238
突っ込みどころを探し出したらきりがない、ある意味おとぎ話のような物語。きちんと「いただきます」をして、命をきちんと繋いでいくこと。食べるということに対してすっと背筋が伸びるような場面も多々あった。「主人公が愛情を注いだ料理を食べたから幸せになれた」なんて甘いことを現実には信じることはできないけれど、おいしいごはんやごはんを食べる時間が幸せに繋がることは確かにあると思う。さあ、今日は何を食べようかな。2011/09/02
めだか
232
スローフードの原点。他人に振舞う食事の姿。御馳走の意味がわかる。2009/11/03