内容説明
“進化”をはぐくんだ島、赤道直下のガラパゴス諸島。その海が、その森が、そこにすむ生きものたちが今、危機に直面させられている。わたしたち、人間の手によって―。ガラパゴスを第二の故郷とする写真家が話題の書『南極がこわれる』に続けて問う、環境問題解決のための、心からのメッセージ。
著者等紹介
藤原幸一[フジワラコウイチ]
秋田県生まれ。日本とオーストラリアの大学で生物学を専攻し、さらにオーストラリア州立ジェームズ・クック大学大学院に進学、グレート・バリアー・リーフにあるリザード・アイランド海洋研究所で研究生活を送る。その後、地球環境に視点をおいた写真家として、南極、南極海の島々、アフリカ、南米さらに北極圏で精力的に取材を続けている。NPO法人・日本ガラパゴスの会(JAGA)、および、国際海洋自然観察員協会(PACI)理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヒラP@ehon.gohon
34
世界自然遺産の島、ガラパゴス諸島の生き物たちの優雅な姿で始まるこの本は、観光地化された風景から、恐ろしい環境破壊の断片に一転していきます。 1978年の世界自然遺産第一号登録から、2007年の危険遺産リスト登録まで、30年間の間に人間は何という暴挙をしてきたのでしょう。 今、地球が直面している問題を、如実に表現している写真絵本です。 失われた楽園などと、感傷に浸る前に、人々がやらなければいけない事を、強く訴えかけています。2021/11/22
☆よいこ
22
2007年発行。16年間ガラパゴスに通った著者が、ガラパゴスの現状を訴える。珍しい動物や美しい鳥たちがゴミの山で暮らす姿、海が汚染され木々が伐採された島の姿を映す。人間が汚して壊した自然は、人間だからこそ回復できるという。2018/05/22
バニラ風味
21
ダーウィンの進化論によって有名になったガラパゴス島。ここが、こんなにも環境破壊が進んでいるなんて。分別されないままのゴミが、野焼きされています。ガラパゴスアメリカムシクイが、そこから巣作りのためにと、くわえた素材は、アスベストでした。愛らしい花が咲いていると思ったら、し尿処理社が集めたものが流れていて、それを養分にしているのでした。でも、人間が壊した環境は、人間が元に戻さなければ。植樹も始まっています。2007年発行の本。今現地は、どうなっているのかしら。2021/07/06
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
13
番組で日テレの枡アナウンサーが憧れのガラパゴスに行った時には、昔からの人間の手が入らない(守るという意味では)独特の自然環境しか写さなかったのに…。環境問題はココにもあるんですね。壊してしまったものは二度と戻らないのに、どうして同じ過ちを繰り返すのでしょう?2018/12/17
遠い日
8
藤原幸一さんの写真を求めて。地球温暖化の影響に、ごみ問題。ガラパゴスはもはや生き物たちの楽園ではないということに、暗澹たる気持ちにさせられる。進化の軌跡の島も、人間によって破壊されていく。2019/07/15
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- スマッシュ - 2019年3月号