出版社内容情報
縞模様の衣服は中世には悪魔の布と見なされ、売春婦、死刑執行人、旅芸人などが身につけた異端のシンボルであった。その後、現代にいたるまで価値判断が二転三転した縞の歴史を広く絵画、文学などに探りながら、西洋社会を視覚的に考察した異色の図像学(イコノグラフィー)。
内容説明
縞模様の衣服は中世には悪魔の布と見なされ、売春婦、死刑執行人、旅芸人などが身につけた異端のシンボルであった。その後、現代りにいたるまで価値判断が二転三転した稿の歴史を広く絵画、文学等に探りながら、西洋社会を視覚的に考察した異色の図像学。
目次
縞の秩序と無秩序
第1章 稿模様の衣装をつけた悪魔―13~16世紀(カルメン修道会のスキャンダル;縞の布地、悪い布地;聖ヨゼフの股引;無地、縞、散らし模様、班紋;図柄と地―縞の紋章学)
第2章 横縞から縦縞へ、そして逆転―16~19世紀(悪魔的から従属的へ;従属性からロマン主義へ;革命的縞模様;縞と罰)
第3章 現代の縞模様―19~20世紀(衛生の縞模様;マリンブルーと白の世界;奇妙なシマウマ;縞の面、危険な面;痕跡から目印へ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
3
ふむ2023/05/03
ひらりん
3
西欧においてしばしば縞模様がスキャンダラスな扱いを受けているというようなこと自体初めて知った。そのような素朴な疑問に端を発して、縞模様に対する人々の認識の変化を歴史的にたどっていったので、門外漢の私にも面白く読めた。よろい戸の縞模様は呪術的な方面からアプローチしても面白そう。2011/11/12
鵞鳥
1
ボーダーは運気を下げると謂われる所以がなんとなくわかった。縞模様は、なかなか上級者向けです。2020/07/24
cipher
1
縞模様ひとつにここまで歴史を重ねられるものかと感心するばかりです。確かにボーダーラインとしてのしましまって日常にたくさんあるよなと納得。そういや洋服の縞模様もボーダー柄って言いますね……。西洋文化や宗教について専門化することなく、時代と当時の人々の様子を追って話が広がっていたのでとても分かりやすかったです。身近なアイテムを媒体に歴史を語るという体の本ではかなり優しく面白い部類でしょう。2015/01/13