出版社内容情報
世界を変えた名著のすべてがよくわかるガイドブック、続々刊行! 人気の著者・訳者・解説陣が勢揃い。第一巻は佐藤優氏の解説付き。
内容説明
当時の何百万人もの人生に影響を与え、世界の歴史の流れを変えた『資本論』。さまざまに論じられてきたこの書物を、「資本主義」という怪物を主人公とした小説として読みなおし、当時の時代背景とマルクスの個人的な悲劇も含めて生き生きと描く。
著者等紹介
ウィーン,フランシス[ウィーン,フランシス][Wheen,Francis]
ジャーナリスト。イギリス、ガーディアン紙でも人気コラムを担当
中山元[ナカヤマゲン]
哲学者・翻訳家。幅広い領域の哲学をわかりやすい言葉で解説する多くの著書で知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みゃーこ
52
マルクスのように政府の公式文書に基づいてペシミズムの根拠を示すことは誰にもなしえなかった。新しい世界観への願望を作り出し、社会主義という幻想の国を鼓吹し実際に一冊の書物がドグマを生み、世界の歴史を塗り替えてしまった。毛沢東、レーニン、スターリン、修正主義、カストロ思想…発展していくにつれ誰もマルクスを理解していない現実の現象に「私自身がマルクス主義ではない」とマルクス独特のアイロニーで語るまでに急進的に社会を動かす「資本論」という怪物の書物。原著にあたってみたくなったが頭が割れるほどの難解さだそうだ2015/10/11
シュラフ
17
ソ連崩壊によって忘れられた感のあるマルクスの『資本論』であるが、不況・バブル崩壊・賃下げ・解雇・派遣・IT化、など諸問題を考察するにあたって『資本論』は有用である。解説の佐藤優によれば『資本論』には2つの読み方があるという。「資本主義の内在的論理に対する観察の魂」と「資本主義の限界から共産主義への転換を期待する革命の魂」。後者の読み方をすればソ連崩壊でその言説が誤っていたということになるが、実は『資本論』には資本主義の限界までで共産主義のことは書かれていないという。『資本論』は論理の書として読むべき。 2015/05/24
funuu
10
「資本論」は、聖書的パロディー的詞的である。資本は死せる労働であり、吸血鬼のように生きた労働の血を吸いとって生きる。吸いとる量が多くほど、資本は長生きする。吸血鬼は労働者を手放さない。シュンベターは「資本主義は存続できるか」という問いを提起する。そして「いや、わたしは存続できると思わない。」と答えている。資本主義の革新は、「創造的な破壊」の力であり、これがあまりにも成功し、あまりに大きな破壊力をもつと、それは死を招くということである。佐藤 優氏が後書きを書いている。2015/06/14
funuu
8
「資本論」が解き明かした最大の秘密は、労働力が商品化されて、経済のすべてが商品経済で行われるということだ。社会的な富が増大するほど、公的な救護を受ける貧民も増えることになる。「これが資本的蓄積の絶対的な一般法則である」存在から思考が発生するのであり、思考から存在がは発生するのではない。2015/08/23
KAZOO
6
学生時代に挫折した資本論をもう一度読もうと思ってまず入門書を読んでみました。これは資本論というよりも、マルクスの生涯をえがいていると同時に資本論に関係ある書物や理論の骨格などを書いています。やはり隔靴掻痒の感があってほんものを読まないとだめですね。しかしながら岩波文庫版は訳がむずかしく挫折したことから拒否感があるのでほかの本で挑戦してみましょう。2013/07/25
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