チャーリーとの旅

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  • サイズ A5判/ページ数 446p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784591097267
  • NDC分類 935
  • Cコード C0098

内容説明

自分はどれだけ祖国の実情を知っているだろう―そんな疑問にとりつかれた作家スタインベックは、特注キャンピングカーに愛犬チャーリーを乗せ、アメリカ一周の旅に出た。人生の哀歓と自然の美しさに彩られた旅は、まるで人生そのもののように浮沈を繰り返しながら進んでいく。孤独とともに16000キロを走り抜けた4ヶ月。いまなお世界中の読者に愛される、旅文学の傑作。

目次

旅立ちの前に
東部から中西部へ(旅立ちの決意といくつかの出会い;ニューイングランド地方を北へ;メインの団欒、ヴァーモントの業火、ニューヨークの道案内 ほか)
大分水嶺と西部(シカゴの再会;イリノイ、ウィスコンシン、ミネソタ・秩序と混乱;ミネソタからノースダコタ・思索と芝居 ほか)
テキサス州と南部、そして家路(テキサスの姿;恐れていた南部へ;ニューオーリンズのチアリーダー ほか)

著者等紹介

スタインベック,ジョン[スタインベック,ジョン][Steinbeck,John]
1902年カリフォルニア生まれ。スタンフォード大学中退後、新聞記者など多くの職業を転々とした末、『黄金の杯』(29年)で作家デビュー。『二十日鼠と人間』(37年)で文壇的地位を確立した。社会派の傑作『怒りの葡萄』(39年)でピューリッツァ賞を受賞、一躍人気作家となる。52年には長編小説『エデンの東』を発表した。いずれも映画化され、大ヒットを記録。その後も意欲的に作品を書き続け、その写実と叙情に富んだ作風、ユーモアと鋭い社会感覚が評価され、62年にノーベル文学賞を受賞。1968年死去

竹内真[タケウチマコト]
1971年生まれ。98年『神楽坂ファミリー』で第66回小説現代新人賞、99年『粗忽拳銃』で第12回小説すばる新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

383
1960年。時にスタインベック58歳。彼は愛犬チャーリー(スタンダードプードル)をお供に、全米34州16.000kmの旅に出た。その目的は、「アメリカとはどんな国か」を身をもって知ることにあった。したがって、漫然とした紀行ではなく、いたって思索的な旅である。スタインベックは'60年の段階で既にアメリカの何処でも画一化が進んでいると嘆いている。ことに主要な道路沿いの街々では。もっとも、その一方ではテキサスをあたかも独立国のような特異な存在であるとも。また、旅の終盤では深南部の公民権運動にも言及している。2021/06/03

ケイ

131
58歳のスタインベック。旅情にかられ、ロシナンテ号を用意し、老犬プードルをお供にNYを出発。まず北へ、そして西へ。そこまでの旅情が、出身地のカリフォルニアに入り、妻の故郷テキサスでも客観的でなくなってくる。旅の前半で偶然にもてた哲学的出会いもなくなり、故郷を失ったことを知り、テキサスではざわつきを感じる。そして、ルイジアナでは、まさに渦巻いていた公民権運動に心乱された。ああ、これはケネディが大統領になる前の、キング牧師が殺される前の南部だったのだ。最後には何があったのだろう。想像はつく。2021/01/31

のっち♬

110
1960年秋にキャンピングカーで38州を回った旅行記。彼は道中で出会う人たちに対して余計な詮索を控える"街道の仁義"を通しながら卓越した洞察力を駆使して、落ち着きのなさの根底に流れる同化性と多様性が共存するアメリカの本質を追求した。昨今では見られない苛烈な黒人差別の現場にもその性質を見出せよう。土着愛に関しても著者の情熱が迸っている。曰く「テキサスは外国」らしい。お供のフレンチプードルもコミュニケーションで大活躍。社会問題と自然描写をユーモアや哀愁を交えてバランスよく扱い、感興を鮮やかに伝える手腕は見事。2024/10/04

ペグ

101
(アメリカ人とは現在、どういう存在なのだろう?)そんな思いで愛犬チャーリーとの旅に出るスタインベック。画一的な都会を避け郊外をひたすら走る。シンクレア・ルイスの名前が出てきてニンマリ。後半のニューオリンズの場面は圧巻。人種間の問題の根深さ。 読後、呆けている自分。おこがましいことを言えばほんの少しだけスタインベックを垣間見れた気がしている。2021/08/25

やいっち

87
原書は1962年刊の本。スタインベックは1968に死去。58歳になって目的地のない旅を決断。本書を読んで感じるのは、フレンドリーでオープンな性格。旅先のあちこちで見ず知らずの人と出会い、コーヒーで語らい酒を酌み交わす。決して人間嫌いがゆえに当てのない長旅に出たのではない。あくまで天性の放浪癖。本書は、スタインベックファンなら楽しめるだろう。2021/01/16

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