内容説明
中学一年の春休み。「ぼくら」はアラビアンナイトの『アリババと四十人の盗賊』そっくりの体験をした。といっても、盗賊は七人で、「福祉法人七福神」と称し、老人相手に盗みとマルチ商法でもうけている泥棒集団だった。ハイキング先の丹沢の山中で、偶然「七福神」のアジトを発見してしまった「ぼくら」は、かくしてあった盗品の山を、貧しいお年寄りたちにバラまいてしまう。どこか間の抜けた七福神と攻防戦をくり返すうち、両者には奇妙な友情が芽生えはじめて―。
著者等紹介
宗田理[ソウダオサム]
1928年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒業。父親の死後、少年期を愛知県ですごす。大学入学と同時に上京、出版社勤務を経て作家活動に入る。1979年、直木賞候補作となった『未知海域』で作家デビュー、社会派ミステリーや企業情報小説等で活躍。現在は、名古屋市在住。旺盛な執筆活動のほか、教育問題、豊橋ふるさと大使などでも活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
52
痛快さは全くそのまま。ドロボウ集団をこらしめ、改心させるし、悪徳政治家にまでひと泡吹かせる。それをやってしまうのが、例によって中学生と老人たち。みんなで知恵を働かせるのがすばらしいところ。子どもと老人の相性の良さは不思議だが、世間の利益とは遠いところにいる点が、共通しているからだろう。すると欲の深い老人だと仲間になれないわけだ。子どもの心を残している大人がもっといたらいいなと思う。このテーマは大人の小説にこそ書いてほしいものだ。なかなか難しいのはわかるけど。2020/09/28
かな
40
「ぼくら」シリーズ4。ポプラ社版のぼくらシリーズ中学生編全11巻もあるのにびっくり。今回は「福祉法人七福神」をなのるマルチ商法まがいの窃盗団グループとの対決。どんどん内容が危なくなってゆくので大丈夫なのと思ってしまうのだが、そこは物語の世界と割り切って読むと社会風刺をはさんでぼくたちが老人やレポータの協力者を巻き込み面白おかしくかつ大胆に物語をすすめてゆく。約240頁と気軽に読め面白かったです。高校編や番外編まで含めると45巻。とりあえず11巻制覇をめざそうかな。2022/08/07
昼夜
27
歳をとったせいか、七福神が可愛いというか悪者に見えなくなってる。さよさんみたいなおばあちゃんにアドバイス欲しい。2011/06/10
Mee.
17
途中までの七福神は悪い泥棒とはいえ可哀想なくらい「ぼくら」にやられまくり(笑)今作も瀬川さんとさよさんが大活躍。歳を重ねても、まるで中学生のように毎日を楽しく過ごす二人や老稚園の方々を見習いたい☺︎そしてラストすごく良かった!悪人でも心をクリーニングして善人になって欲しいです。2018/09/22
はる
15
この本に同時に出てくる子供達は欲が無いよね~(*^▽^*)今の子供だったら確実に自分の物にしてると思う。それに、この子達がする事って人の為にって言うのが前提にあるからなんか憎めないんだよね~(*^▽^*)2015/10/30