内容説明
夏休みに、廃工場に1週間立てこもった旧1年2組の仲間たちは、2学期になると新しい活動を開始した。その名も“一日一善運動”。彼らが次々実行する「いいこと」に、おとなたちは閉口するばかり。そのさなか、美人で有名な三年生の先輩が、校舎の屋上から落ちて死んだ。自殺か、他殺か?老稚園計画を妨害する悪質な地上げ屋と闘い、先輩の事件の真相を追及する彼らは、やがて意外な事実を知る。「ぼくらの七日間戦争」につづく、大人気痛快学園ストーリー。
著者等紹介
宗田理[ソウダオサム]
1928年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒業。父親の死後、少年期を愛知県ですごす。大学入学と同時に上京、出版社勤務を経て作家活動に入る。1979年、直木賞候補作となった『未知海域』で作家デビュー、社会派ミステリーや企業情報小説等で活躍。現在は、名古屋市在住。映画化作品に「ぼくらの七日間戦争」(ブルーリボン作品賞、他受賞)などがある。旺盛な執筆活動のほか、教育問題、豊橋ふるさと大使などでも活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
65
「ぼくら」シリーズ第2巻。七日間戦争の夏休みが終わって、2学期に何とクラス替え。これだから大人は(自分もだ)。しかし今回も子どもたちの動きは身勝手どころか、悪人を摘発して人命まで救う。登場する大人には、子どもをもっと信じてほしいと思うが、少数の理解ある人を除けば、まあひどいものだ(そういう設定のストーリーだが、現実の社会もこれに近そうに思える)。前作の世界の続きなので、読みやすくて、やっばり痛快だ。ところで老人たちの活躍がなかなかにグッド。年をとると子どもに帰っていくとは、こういうことかもしれない。2020/09/16
たか
47
『ぼくらシリーズ』第ニ弾。 七日間の立て籠りをした1年2組のメンバーは夏休み明けにクラスをバラバラにされるが、『一日一善』を提唱して、その『いいこと』により大人たちを閉口させる。 そんな中、中学3年生の女子が妊娠、そして自殺という事件が起こる。自殺の真相を探るべく旧1年2組のメンバーが動き出すが…。▼ 全体的に前作よりもシリアスで暗めな雰囲気。しかし、大人たちを遣り込める痛快活劇は相変わらず。C評価2023/07/28
かな
46
ぼくらの七日間戦争の第2弾。前作と主要な登場人物は同じ、夏休みが終わった2学期から。前回の事件の反省をこめて一日一善運動を提案。この運動が子供にとってはいいことでも大人には!?な内容。前作同様に痛快活劇を想像していたが中学3年生の少女が妊娠、そして自殺というとんでもない話に。自殺の真相を探るべく旧1年2組のメンバーが動き出す。ぼくらの唯一の理解者瀬川老人をまきこんで地上げ屋と対決。教師の不祥事、認知症の老人の徘徊に至るまで2007年発行ということで当時の世相を反映させたライトミステリーになっていた。2022/07/25
Mee.
20
「ぼくら」シリーズ2作目!先輩の死の謎を追求し、老稚園設立の計画を立て、悪い大人をやっつける姿がカッコ良かったです。現代っ子が出来ない事ばかりで憧れるなぁ、、でも先輩は何故あんな事をしてしまったのだろう。それに漬け込む大人達も最低だけど、先輩が亡くなってしまうのは少し悲しかったです。2018/06/20
菜ノ花
20
全巻読んだけど、この巻が一番面白かった!陳腐な言葉だけど、「愉快痛快」ってこの本のためにあるような気がする。やり過ぎ?小説だからいいでしょう! 読んでいて清々しい、すっきりする。宗田さんは、どんな中学生活を送ったのだろう。 一日一善運動。上げてから落とす作戦(笑)2016/08/22