出版社内容情報
古代エジプト経文をおいてあった部屋から一人の大学生がきえた。密室の謎に挑戦した小林少年にせまる恐ろしいたくさんの手!?
内容説明
古代研究所の一室でおこった奇怪な事件。しめきった研究室から、ひとりの大学生が消えた。部屋には、呪いのいいつたえがあるエジプトの巻き物がおかれたまま…。密室の謎ときにのりだす明智探偵。小林少年は、ひと晩エジプトの部屋で見はりをすることになる。真夜中、部屋にぶきみな異変がおこりはじめた。
著者等紹介
江戸川乱歩[エドガワランポ]
明治27(1894)年10月21日、三重県名張町(現名張市)に生まれる。本名、平井太郎。早稲田大学在学中から、英米の推理小説を片っぱしから読む。卒業後、貿易会社、古本商、新聞記者などたくさんの職業を経験する。大正12(1923)年に『二銭銅貨』を「新青年」に発表。筆名の江戸川乱歩は、推理小説の始祖エドガー・アラン・ポーから取っている。その後、数多くの推理小説を精力的に書く。昭和11(1936)年「少年倶楽部」の求めに応じて書いた『怪人二十面相』がたいへんな人気を博し『少年探偵団』『妖怪博士』など少年少女に向けた作品を発表する。昭和40(1965)年没
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感想・レビュー
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Kircheis
105
★★★☆☆ 表題作は個人的にシリーズベスト3には入る傑作。 話自体はやや短めだが、その分明智と二十面相のストレートな知恵比べが楽しめる。 ただ『透明怪人』のトリックをそのまま転用しているのだけはいただけない。 併録の『黄金の虎』は外国小説の翻案だが、少年探偵風にうまくアレンジされていた。しかし『妖怪博士』とほぼ一緒の鍾乳洞部分は削っても良かっただろう。 あと、ノロちゃんは少年探偵団から除名した方が良いと思う(^_^;)2020/03/11
たかなし
25
中編2つ。言いたいのが小林少年の自動車の名前。アケチ1号……ま、まぁいいんですよ!2018/07/18
ゆき
13
VS二十面相と魔法博士と言ういい人とのやり取り短編2つ。なんか、乱歩の書き方可愛いなー。2015/03/10
植田 和昭
12
一冊に2つのお話が入っている異色の作品。20面相の呪いはエジプトのファラオがらみ。黄金の虎は、少年探偵団と20面相の知恵比べ。どちらも楽しく読めました。このシリーズの読破も近いなあ。2022/10/07
めがねまる
5
短編2作。1作目は完全に出オチな二十面相(笑)いいんだ、出るだけで。もうかっこよさなんて期待してないさっ。2作目は少年探偵団たちが魔法博士という、二十面相とは違う人物と対決する。この人は二十面相から犯罪行為を無くしたような人物で、明智探偵に許可をとった後に対決する。敵対してない、良好な関係だ。二十面相は案外、こんな良好な関係を、少年たちと持ちたかったんじゃないか。2012/07/31