出版社内容情報
二人の少女が公園を歩いているとかわいい少年の人形をだいた老人に会った。人形はキイキイ声で話す。恐ろしいワナ。
内容説明
「ぼく、ルミちゃんがすきだよ。ぼくと遊ぼうね。」ふしぎな腹話術人形の坊やと仲よくなったルミちゃんは、坊やと白ひげのおじいさんについて、人形屋敷へやってきた。でむかえた美しいおねえさまは、ふり袖姿の紅子人形。まるで、ほんとうに生きているかのよう…。それは腹話術師にばけたおじいさんの魔術だった。
著者等紹介
江戸川乱歩[エドガワランポ]
明治27(1894)年10月21日、三重県名張町(現名張市)に生まれる。本名、平井太郎。早稲田大学在学中から、英米の推理小説を片っぱしから読む。卒業後、貿易会社、古本商、新聞記者などたくさんの職業を経験する。大正12(1923)年に『二銭銅貨』を「新青年」に発表。筆名の江戸川乱歩は、推理小説の始祖エドガー・アラン・ポーから取っている。その後、数多くの推理小説を精力的に書く。昭和11(1936)年「少年倶楽部」の求めに応じて書いた『怪人二十面相』がたいへんな人気を博し『少年探偵団』『妖怪博士』など少年少女に向けた作品を発表する。昭和40(1965)年没
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちはや@灯れ松明の火
60
お人形みたいに綺麗になれる魔法をかけてあげましょう。白いすべらかな肌、紅い花びらの唇、すきとおったガラス玉の瞳をあげましょう。変わることも枯れることもなく、もう二度と、そのからだが時を刻まぬように。棺の中のもの言わぬ少女、夜の屋敷内を歩く人形、生きているのは一体どちら。人形遣いが手招く、西洋悪魔がほくそ笑む、その下に潜む邪悪な素顔。少女に扮した少年探偵、少年を装う少女探偵、炎の海におぼれ密林に迷い、それでもつかみ取る真実の鍵。さあ、魔法をといてあげましょう。正と邪を、真と偽を、解き明かしてあげましょう。 2013/03/28
井川浩
16
古書版を神田で見つけて購入し、読了しました。子供目線での作品なので、展開が目まぐるしく楽しかったです。
植田 和昭
10
魔法という言葉が人形に使われているなかなか面白い話。だがトラの番人のアイデアやポケット小僧のことは、次の作品の奇面城の秘密にも出てくるぞ。江戸川乱歩もアイデアが出尽くした感がある。人形になってしまう注射というのは何だったのだろう。紅子さんとは。一部伏線の回収ができていないような気がするが。2023/03/05
新島
9
江戸川乱歩初読。ですます調で語られる文章には柔らかさと物語性があって、すぐに本の世界へ引き込まれます。また途中で、神の視点を持つ読者への問いかけや確認で理解を深めてくれるような工夫もなされていますね(-本作が連載型だったためかも)少年探偵団にチンピラ隊、明智小五郎と主要なキャラの説明もあり本編の方の設定はある程度知ることもできます/面白かったか?というと……^^;子供向けだから、といえばお終いですなのですけどね笑。本編についてはコメント欄に書くことにしますーー続2016/01/30
胡桃
5
小学生のころよく読んでたな~ ビブリア4巻が乱歩をテーマにしてかいてあったので久々に読みたくなってうずうずしてます(笑)2005/02/27
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