出版社内容情報
東京のあちこちに黄金豹が出没するといううわさがたつと間もなく、銀座の美術店の陳列台に黄金豹が現れた。再び二十面相の犯行か!?
内容説明
夜の闇を切りさくかのように、屋根から屋根を走る金色の大きな影。月の光をあびて、全身キラキラとかがやく黄金の豹が町に姿をあらわした。銀座の宝石商をおそい、次から次へと宝石を食べはじめる豹、ぱっと身をひるがえして逃げさると、煙のように消えてしまう、まぼろしの怪獣は、いったいなにもの。
著者等紹介
江戸川乱歩[エドガワランポ]
明治27(1894)年10月21日、三重県名張町(現名張市)に生まれる。本名、平井太郎。早稲田大学在学中から、英米の推理小説を片っぱしから読む。卒業後、貿易会社、古本商、新聞記者などたくさんの職業を経験する。大正12(1923)年に『二銭銅貨』を「新青年」に発表。筆名の江戸川乱歩は、推理小説の始祖エドガー・アラン・ポーから取っている。その後、数多くの推理小説を精力的に書く。昭和11(1936)年「少年倶楽部」の求めに応じて書いた『怪人二十面相』がたいへんな人気を博し『少年探偵団』『妖怪博士』など少年少女に向けた作品を発表する。昭和40(1965)年没
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みや
36
東京の街を颯爽と駆け抜ける黄金豹。視覚的に物凄くかっこいい。宝石や宝玉、札束など盗みの回数が多く、そのどれもが不思議な消え方をしているので、謎を考えながら読むのが楽しかった。特に汽車の事件は、車内・車上・駅と立て続けに起こり、休む間がない。疾走感のある作品だった。2016/07/20
たかなし
22
少年探偵団。豹。トリックはなんとなく読めた。最後らへんに二人の敵がでてくるのだけどアッサリしてるので勿体ない。女性の敵大好きなんですよ(人´ з`*)♪2018/07/05
芳樹
4
少年探偵シリーズ十三作目。 たった一匹の黄金豹を所謂ダブルキャストで演じる。 この事で読み始めた時に不思議に思っていた体の作りの違いは解決して、なる程と思った。ロープにぶら下がったり梯子を登る事が出来るのは人間だとは思えても4本足で速く走るのは人間には不可能だと思っていたので、感心した。 ところで、この作品に出て来た「猫むすめ」と「猫夫人」とは一体誰なのか。 二十面相の家族なのだろうか。 トリックとしては物足りなさを感じるが、暗闇を金色の豹が歩き回っているのは見てみたい気がする。2017/12/20
mintjam_
3
二十面相氏は猫好きな婦人と娘と出会ったことから、この計画のインスピレーションを得たとみました。2020/03/29
だいちゃん
2
豹はそもそも黄金色である。怪人二十面相は空気を抜くトリックを使うのが好きだと思う。2018/07/08