出版社内容情報
戦争とは命を奪うこと。その痛みを私たちは、考えてきたでしょうか。存在感のある写真と詩が、戦争について考えさせてくれます。
著者等紹介
堤江実[ツツミエミ]
東京都出身。立教大学英米文学科卒業後、文化放送アナウンサーとなり、会社経営を経て、現在、著作、翻訳、講演の他、ミュージシャンとの競演で自作の詩を朗読するポエムコンサートを展開。世界一周クルーズ船飛鳥「詩の朗読教室」講師
高橋邦典[タカハシクニノリ]
1966年宮城県生まれ。フォトグラファー。1989年渡米。1996年度ボストン報道写真協会フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー受賞。1999年度、2000年度ニュース部門第1位受賞。2003年AP通信メンバー、フォト・オブ・ザ・イヤー受賞。沢田教一賞受賞。著書に『ぼくの見た戦争 2003年イラク』(第9回日本絵本大賞受賞)シカゴ在住
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
26
タイトルと表紙の写真に胸をうたれました。純粋で、まっすぐで、人を疑うことを知らなくて。だからこそ彼らの心を憎しみや、与えられた価値観で染めたくない。そうは思っていても…。世界中の子供たちがみんな愛しい。殺しあうことの醜さよ…。けれども、それを与えているのは上の世代なのだ。2020/04/03
スー
23
いやー堪えました。あなたのお父さんとお母さんを妹や弟達を爆弾で奪い取ったのは私です、あなたの腕を半分と足を一本ちぎりとばし背中いちめんにケロイドのあとを残したのは私です、それを安全な場所に守られながらただぼんやりと傍観してたのはこの私です。実行するのも見て見ぬふりするのも同罪なんですね。どんな大義があっても私はあなたが殺されるのを見たくない、どんな大義があっても私はあなたが殺すのを見たくない。親は子供が当たり前に幸せに生活するのを望んでいるのですよね、子供達の笑顔が素敵でした。2018/07/10
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
22
『世界中の息子たちへ / 写真 / ものさし / ひとのふしぎ / 海よ / 尊い光景 / 不在 / いつかこの星から / あなたにできること / 私には名前があります / サークル / 未来へ 』 本のタイトルにもなっている『世界中の息子たちへ』の詩を読んで、心が絞めつけられました。内戦・紛争が今尚起っている国の子どもたちの写真と詩を知って、平和な国に住んでいる私たちは何ができるのだろうと改めて考えます。2020/11/05
ヒラP@ehon.gohon
22
表紙は、死んだ仲間に黙祷を捧げる兵士の写真でしょうか。 この写真と、中に掲載された子どもたちの表情との、言い様のない距離感が、戦争の真実だと思います。 「詩は写真に似ています。」とあとがきに書いた堤江実さんの詩は、高橋邦典さんの写真から読みとった「戦争」です。 写真の語る、希望も悲しみも、喜びも困惑も、みんな平和の中にないことを噛みしめました。 安易な平和論ではなく、身近に戦争があることを、考えなくてはいけませんね。2020/03/19
けんとまん1007
22
今もこの地球のどこかで起きていること。戦争・紛争。そこには、兵士がいる。兵士だけでなく、一般人もいる。その兵士の多くが、親から見ると息子であり娘でもある。また、少年兵もとても多いと耳にしたことがある。一人の親として、自分の子供たちを思う気持ちは同じだと思う。いのちを奪う、奪われる。しかも、そういう状況に、無理やり追い込まれるというのが実際のところだ。2015/08/28
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