やがて幸福の糧になる

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  • サイズ B6判/ページ数 166p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784591072134
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

生命科学者柳澤桂子さんは、生涯の半分を原因不明の病気で苦しみの日々を過ごした。死まで決意した、彼女が見つけた幸せとは。

内容説明

生命科学者柳沢桂子が第一線で活躍するかげには、30年以上にわたる原因不明の病気と向き合う日々があった。一度は死まで決意した彼女が見つけた幸せとは。

目次

植物学との出会い
どうしてもやりたい実験
国際学会に参加して
病院巡り
認められぬ病
車椅子
病気がもたらす問題
宗教
甘え
人間であることの悲しみ
歌を詠む楽しみ
病気の悪化
医療の手の内
奇跡
幸せって何でしょう

著者等紹介

柳沢桂子[ヤナギサワケイコ]
1938年東京生まれ。お茶の水女子大学を卒業後、コロンビア大学大学院を修了する。慶応義塾大学医学部助手になる。1971年三菱化成生命科学研究所副主任研究員となる。1977年に病で倒れる。1983年同研究所を退職ののち、サイエンスライターとして、著作活動に入る。生命科学の立場から「生命とは何か」を問いつづけてきた。『お母さんが話してくれた生命の歴史』(岩波書店、産経児童出版文化賞)、『卵が私になるまで』(新潮選書、講談社出版文化賞科学出版賞)、『二重らせんの私』(早川書房、日本エッセイスト・クラブ賞)など多数の著書がある
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はちてん

17
般若心経を意訳した「生きて死ぬ智慧」の著者による闘病を中心とした手記。科学者らしい冷静な筆致で、怒り諦め希望を語る。ボンヘッファーから引用の『神の前に、神とともに、神なしに生きる』が印象的。(何かあると文献にあたる、共感できる。)2012/09/08

Gotoran

16
生命科学者として順調に研究生活を送っていた著者に、突然、原因不明の難病が襲った。生涯の半分(31~62歳)に及ぶ悲惨な闘病生活と絶望的などん底からの奇跡とも思える復活までの過程が、冷静に、真摯かつ謙虚に、綴られている。感動とともに幾多の気付き・学びが得られた。発病時の診断に対する医師達の無理解、傲慢さ、医療の権威主義、ご都合主義には、(著者とともに)腹立たしく感じた。 (果てしない闘病生活の末、至った一種悟りの境地[著者の在り方]を思うと)タイトルの『やがて幸福の糧になる』が何と示唆に富み、意味深か!2012/07/22

マイケル

8
病気との闘いや病院巡りの話が中心となっておりこの著者としてはサイエンス部分が少ないため読みやすい。サイエンス関連では米国帰り後の純系マウス実験での苦労話は最近の感染症対策を連想。症状があるのに医者から心因性と言われ、まともに取り合ってもらえない認められない病。耳が痛いぐらいで耳鼻科に来るなと言われて追い返された経験のある私にはよく分かる。そして宗教を生命科学的な視点から考え、宇宙や38億年という生命の歴史から捉えるスケールの大きさ。エピローグで示された、生殖医療、原発危険性、環境問題等の人類の課題。2020/05/07

Ted

8
'02年3月刊。原因不明の病に長年苦しめられた女性科学者の手記。今では明確な病名が分ったが、それ迄は原因不明の為、病院巡りをしても悉く「気のせい」「心の病」「ヒステリー」「医療不信が原因」等、何の科学的根拠にも基かない勝手な思い込みでデタラメの診断をされ全く理解されなかった著者の悔しさ、悲しさは想像に余りある。精一杯の皮肉を込めて「先生方は物語をつくるのがお上手です」と書いているが、実際は物語なんて上等なもんじゃなく、「一体どの口からそんな珍説が出てくるのか」と失笑するような法螺を平気で垂れる場合が多い。2012/08/06

今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン

5
何が、ではなくて、誰からか。これはなだいなだも書いていたけど、こと宗教に関しては誰からその教えを受けるか、が受け容れられるかどうかの分かれ道になるのでは。高橋敬基氏との出会いが著者を神へと向けていったのでしょう。高橋さんのキリスト教は生命科学と矛盾しない。私も高橋氏の著作、「他者中心性なる神」が読みたいねえ。2012/11/16

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