出版社内容情報
悲惨な戦争が、どうしてこんなにくりかえし、くりかえし起こるのだろうか。戦争をなくすためにどうすればよいかを考える。
内容説明
戦争のかたちは変わってゆくが、その原因の基本的なところはあまり変わらないのではないか。そのいちばん基本的なところをできるだけ分かりやすい言葉で伝えた一冊。
目次
戦争の原因を考えよう
太平洋戦争はなぜ起こったか
日中戦争はなぜ起こったか
国と国のつきあい方
軍人は戦争をやめられない
第二次世界大戦はなぜ起こったか
アメリカとソビエトの対立
助け合おう
宗教と戦争
人口の増加は戦争になるか
戦争は人間の本能か
私たちのすすむべき道
著者等紹介
佐藤忠男[サトウタダオ]
1930年に新潟市に生まれる。国鉄、日本電信電話公社などで働きながら「映画評論」「思想の科学」などの雑誌に論文を投稿し、1956年に最初の評論集を上梓。以来今日までに映画批評を主として教育や大衆文化など広い範囲で評論活動を続けてきた。1995年に芸術選奨文部大臣賞、紫綬褒賞を受賞。1996年より専門学校日本映画学校校長をつとめている
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
79
私の好きな映画評論家・佐藤忠男さんが3月17日に亡くなられた。何か著作に触れたいと探していたら本書を見つけた。このような本も書かれていたんだ。読んでみると、実に分かりやすい文章で戦争について綴られている。これまでの戦争の原因や、今の世界情勢が非常によく分かる。自分の過ちを認められないから、人を差別するから、強い国が弱い国を助けないから、等々。読めば読むほど、戦争をなくすのは難しいと思えてくる。それでも平和を祈って考えていきたい。多くの人に読んで欲しい良書だ。ウクライナのことはどう思われていたのだろうか。2022/04/12
がんぞ
5
尊敬する筆者だが昭5生の生体験が感じられない?日中戦争で『暴支膺懲』の掛け声をどう聞いたか?太平洋戦争に日本が追い込まれたのを「中国を侵略したから」とジュニアハイスクール・ヤンキーの理解のように説明する…/蒋介石は日本で教育を受け、不遇時代に日本でfortune夫人とお見合いし結婚した‥西安事件以降の彼は「日本人の不動産没収」など反日に先鋭的で、おそらく合作した共産党の戦略‥連合国一員とて日本には勝ったが元手を無くし台湾を侵略して居座ることになった‥「反日感情が自然」と言うならアヘン戦争を起こした英国は?2016/06/30
aya
4
おそらく子供向けに書かれたものだろうが、分かりやすい文章を書かれる方で好感が持てました。戦前、戦後史の的確な要約によるおさらいと、著者の提案、という構成のバランスが優れています。大人が子供を守るように、強いものは弱いものを守らねばなりませんね。2016/09/19
ひびちび
2
小学生の子供が学校から借りてきて興味深かったので読んでみた所、近代史をあまり知らない私にとってとても勉強になりました。近代史を学校でしっかり教えないのは、日本にとって不都合なことがあるからなのかと考えさせられました。近代の戦争の背景を知ることができる良い本です。2020/01/14
AKT
2
世界の仕組みから人間の根本の部分まで著者が考える戦争が起こる理由について述べている。911の一ヶ月後に出た本なので現在の紛争については記述がないが、戦争の根元にあてはめると理由は結局同じ。人間の自分の非を認めたがらないエゴのせいで日本人はアジアを欧米列強から救うという崇高な概念に置き換え非情な殺戮を行った。私自身信じたくないけれどそれが事実。村と村の戦争→豪族と豪族との戦争を終わらせることができたのだから国と国との戦争も終わらせることができる、私はこの意見を支持していきたい。2015/04/05