出版社内容情報
戦争の危険をのがれて集団疎開に旅立つボクちゃんたちを待っていたのは、飢え、いじめ。それは子ども同士の新しい「戦場」だった。
内容説明
太平洋戦争の末期、子どもたちに被害が及ぶのをおそれ、都会の子たちを安全な地方へ疎開させる政策がとられた。四年男女組の級長、源久志コト“ボクちゃん”は、まるで遠足に行くような気分で集団疎開に行ったが、そこで待ちうけていたのは、いじめと飢えと、お母ちゃん、お母ちゃーんという悲痛な心。ボクちゃんはついに親友の朝比奈くんと脱走する決心をするが…。
著者等紹介
奥田継夫[オクダツグオ]
1934年、大阪に生まれる。同志社大学卒業。集団疎開を描いた『ボクちゃんの戦場』で鮮烈にデビュー。後にマンガ化、絵本化、映画化され、ベルリン映画祭で評判となる。梅花女子大学講師
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひなきち
4
読んだのは理論社のしらいみのる氏絵の本でしたが、こちらで登録します。戦時中の集団疎開で、子供同士のイジメを克明に描いた作品です。深く考えさせられました。戦争が遠く過去のものになった今、当時の悲惨な現状を記録してある日記としても価値があるのではないかと思います。現代社会もさまざまな艱難辛苦がありますが、食べものがあるだけでも幸せなのかもしれません。2015/06/21
まるお
1
★5 子供の頃に読んで未だに忘れられない作品です。 久しぶりに読み返しても、やはり辛い。 疎開先でのいじめや食糧難。近しい人が次々居なくなっていく恐怖。 戦争を描いた作品でたまに見かける英雄譚や美談、そんな綺麗事よりもこれこそが戦争のなんだと思います。 最後は本当に救いがなく、最後の一行が本当に絶望感を感じさせました。2018/04/04
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- 和書
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