出版社内容情報
青い丘学園で寄宿生活に入ったメイゾン。異人種間の偏見のある新しい環境で、彼女がたくましく成長する姿をさわやかに描いた作品。
内容説明
「メイゾン、よそへいくってことは、別の人間になれるってことなんだよ」ニューヨークのわが家をはなれて、コネティカット州の私立学校、青い丘学園で寄宿生活をはじめるとき、おばあちゃんがいった。なみだが出るほどきれいな夕日が見られる青い丘学園。ここであたしは、これまでに会ったことのない友だちといっぱい出会うことになった。そして、今までの自分とはちがう、「別の自分」にも出会うことになった。不安と期待で胸をふくらませ、新しい世界にとびこんだメイゾンが語る、自分探しの物語。「マディソン通りの少女たち」三部作の第二弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP@ehon.gohon
6
前作では、青い丘学園に行ってしまったメイゾンを思うマーガ レットの寂しさが、繊細に描かれていましたが、この作品では、そのメイゾンが青い丘学園で過ごす孤独感を しっとりと描いています。 白人社会の中でマイノリティとして学ぶメイゾン。 成績優秀でありながら、回りの人との距離感はなぜでしょう う。 迫害も差別も表立てては見えないように思うのですが、メイゾ ンの劣等感と居場所として受け入れられない潜在意識がそうさせるのでしょう。 とてもデリケートな心風景を見事に描いていて、思わず感情移 入してしまいました。2015/08/28