出版社内容情報
おとうさんと手話ではなしをするしんぺいは、一度でいいから、遠くにいるおとうさんに大声でよびかけてみたいと思っています。
内容説明
しんぺいは、きょう、さかあがりができました。おとうさんにおそわったさかあがりです。てつぼうのうえにすわったら、とおくにおとうさんのすがたがみえました。「おとうさーん」って、おおきなこえでよんだら、おとうさんはふりかえってくれるでしょうか。父と子のあたたかな思いやりを描きます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
61
良かったです。心に沁みる、あたたかな物語。耳の聞こえないお父さんと、小学1年生のしんぺい君の愛情に溢れたやりとりがとてもいい。用事があるときは、お父さんの背中をとんとん。振り返るお父さんはいつも笑ってくれます。耳が聞こえなくても、しんぺい君はお父さんが大好き。でも一度でいいから「しんぺい」と呼んでほしい……。ラストのしんぺい君がいじらしいです。2023/08/09
とよぽん
42
お父さんは耳が不自由だが、しんぺいくんはお父さんが大好き。「せなかをとんとんってたたくのは、おとうさんのこころのとびらをたたくようですきです。」見知らぬおばさんにお父さんのことを拒否されたとき、しんぺいくんは全身全霊で抗議した。その晩、お風呂でお父さんの背中を流し終わってから、しんぺいくんは「そっとせなかにみみをつけてみた・・・」この場面の絵が、じ~んとくる。一度でいいから、お父さんに「しんぺい」とよんでほしいと思ったしんぺいくん。長谷川知子さんの絵に涙した。2020/10/12
ぶんこ
41
しんぺいくんのお父さんは耳がきこえないので、背中をトントンして気づいてもらいます。逆上がりができたことをお父さんに伝えたくて、帰宅途中のお父さんの背中をトントン。お父さんが大好きで尊敬していますが、「しんぺい」と呼んでもらう夢があって、切ないけれど、素敵な親子に感動しました。お父さんが精一杯まっすぐ生きているのも素敵。おばさんに邪険にされてもいいんだよ。でも、怒ってくれたしんぺいくんは素敵だよ。2023/12/20
よむよむ
19
聾唖者(今はこの表記は使わない?)の家族のお話。小学生にはとてもわかりやすいと思う。でも、本当の想いは当事者だけにしかわからないのかな。わかろうとしてもいいよね?2011/08/28
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
15
前日にお父さんとの特訓のおかげで、今日さかあがりが出来たしんぺい君。帰り道のお父さんを見つけ、その喜びを伝えるしんぺい君ですが、大きな声で「お父さん」とは呼ばず、走って追いついて背中をとんとん。そうしんぺい君のお父さんは音が聞こえないのです…。2020/10/11