出版社内容情報
戦後、兵器会社の社長となった男のもとへ、怪物がやってくる。それは、男が少年時代戦争への憎しみをこめて作ったねん土細工だった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どあら
34
図書館で借りて読了。粘土の神様を作った時の気持ちを忘れてほしくなかったです…😔2021/06/30
がらくたどん
33
「ズッコケ」の那須さんが亡くなられた夏であった。何を読もう。迷った末、これかな~。こちらも児童書架の息の長い人気者「ますだくん」シリーズの武田美穂さんとのお仕事。戦争で家族を亡くした健ちゃんが粘土で作った神様。戦争を起こしたり戦争でお金儲けする人をやっつけるんだ。健ちゃんは大人になって何になったと思う?武器を作る人になったんだ。何で?粘土の神様、怪獣みたいに大きくなって健ちゃんに聞きに来たよ。健ちゃんは今も戦争が嫌いで平和を保つために武器を作っているんだって。それで神様はもういらないみたい。何で?何で?2021/08/23
わむう
31
太平洋戦争から1年後。戦争孤児のけんちゃんは戦争商人を憎んでいるため、彼らをやっつけてくれる神さまを粘土で作ります。時は経ち、閉校になり倉庫の片隅に残された神さま。終戦から50年後、神さまは100mの大きさに巨大化し東京に向かって歩きはじめる。兵器会社の社長となったけんちゃんに会いに行くために。変わってしまったけんちゃんを見て悲しむ神さまに「他国より強力な武器を持つことが平和につながる」と主張する。絵本らしくない希望のないラストでした。2021/09/23
みさどん
30
大人の事情を描く本で、このような絵本が存在することにまず驚いた。戦争を恨んだ子どもが造ったねんどのかみさまが、幾年も経って映画のゴジラのように日本を壊していく。最後はどうしようもない現実をつきつけてある。武田美穂さんの暗い絵にも驚かされた。辛い現実を描き出すことで、子どもに理解できるのか、子どもに何を伝えようとするのか、制作から悩まれただろう。地球全体規模で考えなくてはならない事象だもの。2016/06/26
小夜風
25
【図書館】読み終わって「はあぁっ?!」としばし絶句…。那須正幹さんと武田美穂さんの絵本とは信じられないくらい衝撃的でした。この絵本で子どもに何を伝えたいんだろう…。それとも今の政治家とか、戦争時代に子どもだった人たちに読ませるべき絵本なのかな。2014/12/06