出版社内容情報
おかあさん、やわらかくって、いいにおい。うまれたくなかった子どもは、女の子にであって、おかあさんをしって、うまれることを決心した。
内容説明
おかあさん、やわらかくって、いいにおい。ぼく、うまれてきてよかった!うまれたくなかったからうまれなかった子どもは、おんなの子にであって、おかあさんをしって、うまれることをけっしんした。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
50
うまれたくなかったからうまれなかった男の子。うまれてないからかんけいない、と何も感じない。なぜ、うまれたいと思ったのか、転換点が大事だ。赤と緑の描画が青と黄色に変わった。勢いのある線。ところで、犬はどんな役割だったの? 佐野洋子さんは『100万回生きたねこ』の作者で有名。谷川俊太郎さんと一時期結婚していた人でもある。2022/03/12
がらくたどん
39
「うまれたくなかったから うまれなかった子ども」は世界の全てが関係ない。食べたくないし、痛くもないし、けんかを見ても何にも感じない。でも、誰かさんに優しく絆創膏を貼ってもらっている誰かさんを見ていたら「かんけいない」のに自分も絆創膏を貼ってほしくなった。「ばんそうこう」と誰かさんにしてほしい事を叫んだ途端に「うまれなかった子ども」は「うまれた」んだ。生まれているのはくたびれるけれど、「生まれてきた子ども」を生きいるんだ。表情のない木像のように、いろんな読み方ができる絵本です。今の私はこんな風に読みました。2022/03/03
ヒラP@ehon.gohon
37
「生まれたくなかったから生まれなかった子どもがいた」というスタートにはドキリとさせられました。 胎児にも、生まれたくないという意志や、生まれないという選択肢があるのだろうか。 「生まれてこなければよかった」という自己否定をする否定があります。 でも、絵本の子は、生まれてきたことで初めて生きていることを喜び、実感しているのです。 回りくどいお話ですが、生まれたくなくても、生まれてきてよかった。 親も子も実感したいですね。2021/07/27
ヒラP@ehon.gohon
22
「生まれたくなかったから生まれなかった子どもがいた」というスタートにはドキリとさせられました。 この世には、いろんな事情で生まれてこなかった子どもたちの魂が浮遊しているのでしょうか。 想像すると、恐ろしくもあり悲しくもありますが、やっぱり存在感を持たない寂しさが大きいに違いありません。 生まれてきたからこそ、体感できていることがあるのです。 くたびれるかも知れないけれど、生まれてきて良かった事を、大切にしたいですね。 この絵本は、少々めんどくさい自己肯定の絵本だと思います。2023/04/16
遠い日
22
生まれたくなかったから生まれなかった子どもが、この世にある「愛」に気づいて初めて「生まれる」ことにした日。おかあさんの愛情を一身に受けて、心の満足を得るようすが、とってもほほえましい。「うまれているの くたびれるんだ」ということばに、生きることの重みさえ感じて、わたしはちょっと泣きたくなった。2016/01/28