出版社内容情報
遺言の自由を制限する遺留分制度について、その機能と正当化根拠について検討を行う。ヨーロッパでの法改正の議論も参考に、遺留分制度の果たしている機能および果たすべき機能を明らかにし、正当化が可能な遺留分制度の在り方を追究する。
目次
第1章 遺留分制度の機能と正当化根拠(ドイツ遺留分権の憲法秩序における基礎づけ;ドイツにおける遺留分の機能論;ドイツ判例における遺留分権利者保護の傾向;日本における遺留分のキノウと正当化根拠;2018年相続法改正による日本の遺留分制度の変化の意義;分析と展望)
第2章 正当化可能な遺留分制度を実現する解釈論上の可能性(事業承継を遺留分法から保護する試み;財団法人の設立を遺留分法から保護する解釈論上の可能性―信託と遺留分の関係を検討する素材として;遺留分を剥奪する基準としての「相続的協同関係の破壊」の現代的意義;遺留分侵害額請求権と債権者代位;まとめ)
第3章 比較法的にみる正当化可能な遺留分制度の構築(スイス相続法改正の議論にみる遺留分制度の弱化;2015年オーストリア相続法改正にみる遺留分制度の柔軟化;2009年ドイツ相続法改正における遺留分制度の変容;イングランド法における家族分与の制度;分析)
著者等紹介
青竹美佳[アオタケミカ]
1975年北海道小樽市生まれ。1999年京都大学法学部卒業。2004年京都大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。香川大学法学部、広島修道大学法学部を経て、大阪大学大学院高等司法研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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