出版社内容情報
ファシズム期日本の文化論、社会史、思想史の泰斗である著者の歴史研究を戦中戦後の通史的構成の下に編み直す。象徴天皇制など政治的意味合いの強い題材を取り上げ、イデオロギーのみでは捉え切れない視点から社会の実像に迫る画期的労作。
内容説明
小説家、力士、出版界、雑誌、天皇制など、戦中・戦後の文化・政治を特徴づける多くの個別テーマ研究を、戦中・戦後の通史的構成のなかに配置し再評価する。著者の複合的な歴史観と多様な観点による、これまでの研究の集大成。
目次
第1部 戦中編(アジア・太平洋戦争下の国民統合と社会;太平洋戦争期の青少年不良化問題;戦時下の相撲界―笠置山とその時代)
第2部 戦後・占領期編(戦後・占領期の社会と思想;出版界の戦争責任と情報課長ドン・ブラウン;占領の傘の下で―占領期の『思想の科学』;占領期日本のナショナリズム―山田風太郎の日記を通して)
第3部 転換期日本の文化(戦中・戦後のイデオロギーと文化;書評・鶴見俊輔『戦時期日本の精神史』)
第4部 象徴天皇制論(藤田省三の象徴天皇制論;近年の象徴天皇制研究と歴史学)