内容説明
本書は、タンガニーカを独立に導いた民族主義組織タンガニーカ・アフリカ人民族同盟(TANU)が成立するまでの、初期民族主義組織アフリカ人協会(AA)に焦点を合わせた、タンガニーカ民族主義形成史に関する研究である。本書の目的は、イギリス植民地支配のもとで「タンガニーカ」のアフリカ人が「アフリカ人」としての民族的自覚をどのように認識するようになったのか、多様なアフリカ人組織はいかに形成され初期民族主義に接近したのか、初期民族主義組織AAの形成と発展はいかなるものであったのか、民族主義組織TANUはどのように成立したのか、総体としてタンガニーカ初期民族主義の全体像を描写することである。
目次
第1部 初期民族主義の形成(1920‐1939年)(植民地体制の確立;アフリカ人組織の誕生;アフリカ人協会の成立)
第2部 初期民族主義の展開(1939‐1948年)(植民地主義の危機;アフリカ人組織の多様化;アフリカ人協会の発展)
第3部 民族主義的運動の開始(1948‐1953年)(新しい植民地主義の出現;アフリカ人組織の民族主義的運動の展開;タンガニーカ・アフリカ人協会の成立)
第4部 民族主義運動の出発(1953‐1954年)(タンガニーカ・アフリカ人民族同盟の成立)
タンガニーカ民族主義の形成
文献と史料
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
K_1
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9500円、あまり買う人は居ないだろう。1920年から1954年のタンザニアの民族主義について、あまり読む人は居ないだろう。イデオロギッシュ、歴史学に多い方のそれで、最後まで読む人は少ないだろう。AA-TAA-TANUを中心としたアフリカ人組織の形成過程を時間軸に沿って述べ、民族主義の変化・成長を描く。総督府、行政評議会と立法評議会、アフリカ人組織の三者関係で話が進み、素人の僕にも分かりやすかった。文章も悪くない。イデオロギッシュ(特に2章はきつかった)なのを除けばタンザニア勉強にきっと役立つだろう。2012/01/22