内容説明
本書は大学の憲法のテキストである。大学で学ぶ憲法は、高校までの憲法と大きく異なっている。これまでは、条文を覚えなさい、問いに対する答えはひとつです、と教えられたかもしれない。だが大学では、正解は必ずしもひとつではなく、むしろ結論に至る筋道を重視することを学ぶ。大学で養成したいのは、学生が、制度の趣旨・目的を探り、学説・判例の見解を比較検討し、一定の結論に至る論理的な複数の筋道の中でどれが最も適切かということを判断する能力を身につけることである。憲法を知るということは、実はこういうことである。
目次
第1編 レクチャー(人権序説;統治序説;憲法問題とはなにか―憲法学への案内;憲法訴訟)
第2編 ケース・スタディー(人身の自由(福岡県青少年保護育成条例事件)
精神活動の自由(津地鎮祭事件)
表現の自由―わいせつと表現の自由(チャタレー事件)
経済的自由(森林法訴訟) ほか)