内容説明
ドイツにおいては1980年代半ば以降労働法の弾力化が急速に進行し、それにともない派遣労働の規制緩和も実施されてきた。本書はその中にあって派遣労働者の保護がどのように図られてきたのかという点を中心に検討を加え、ドイツの派遣法における派遣労導者保護の法構造を明らかにしたものである。
目次
第1章 「業として」の派遣と派遣労働者の保護
第2章 「擬制労働関係」による派遣労働者の保護
第3章 違法派遣と派遣労働者の保護―被用者派遣法10条2項にいう派遣元に対する損害賠償請求権を中心として
第4章 建設業における派遣労働の禁止―1982年雇用促進法12条の制定を中心として
第5章 西ドイツにおける外国人違法就労と外国人労働者派遣の動向―ドイツ再統一直前の状況
第6章 ドイツにおける派遣労働の現状と問題点―連邦政府の派遣法の適用状況に関する七次報告を中心として
第7章 派遣法の弾力化と派遣労働者の権利保護―派遣期間の上限の延長を中心として
第8章 反復派遣に際しての「派遣先」概念と「中断」期間
第9章 労働者派遣事業制度の改正に関する中職審「建議」の検討