内容説明
近世封建社会の土地所有の特質とその歴史的変遷を分析。京都、江戸をはじめとして日本の各地域の百姓、町人、被差別民等のおかれていた法的現実を照射する。法規範からは捉えられない歴史的現実を様々な訴訟をもとに検討する。
目次
第1部 近世土地所有法の研究(近世土地所有の研究史と課題;近世成立期における土地所有の特質;近世都市における土地所有法の特質;近世北海道における土地所有の特質;近世都市における土地所有法の変容)
第2部 身分的権利と裁判の研究(近世法と身分;紀州藩の掃除役米制度と訴訟;武蔵国の旦那場と訴訟;信濃国の草場訴訟史;明治維新期の草場廃止運動と草場廃止令;書評・渡辺広『未解放部落の形成と展開』;土地所有と身分の法社会史―総括と展望)