出版社内容情報
2000年代以降、中国では日本をはじめとする世界各国の翻訳絵本が一大ブームを巻き起こし、家庭や児童教育の現場へと急速に浸透した。なぜ、翻訳絵本は中国で注目を集めたのか。清末から中華民国・新中国の建設を経て市場経済とグローバル化の時代へ、それぞれの時代における教育理論と教育制度、求められる教育的価値を比較検証し、中国絵本文化の開花に至る歴史的・社会的背景を明らかにする。
内容説明
市場経済化、グローバル化の進む中国では日本をはじめとする世界各国の絵本の翻訳出版が一大ブームを巻き起こし、家庭や児童教育の現場へと急速に浸透した。なぜ、翻訳絵本は中国で注目を集めたのか。新時代中国の児童教育はどのように変化しているのか。中国絵本文化の開花にいたる歴史的・社会的背景を明らかにする。
目次
序章
第1章 中国における「子どもの発見」および児童文学の誕生
第2章 中国の絵本の扱われ方―「図画書」の定義・分類に注目して
第3章 中国における「翻訳絵本」の社会・家庭への浸透について―その経緯と背景を中心に
第4章 「全民閲読」運動と「翻訳絵本」―中国国家図書館の目録に注目して
第5章 小学校・幼稚園と「翻訳絵本」1 受容の経緯―小学校国語教育における導入および師範教育における絵本授業法研究の発展を中心に
第6章 小学校・幼稚園と「翻訳絵本」2 受容の社会的背景―小学校の国語教育、幼稚園の言語活動における受容および教育政策の変遷を中心に
第7章 「児童教育」と出版社の事業戦略―ポプラ社中国法人「蒲蒲蘭」の事例を中心に
終章
著者等紹介
劉娟[リュウケン]
横浜国立大学大学院都市イノベーション学府博士後期課程修了。専門は専門は日中文化比較、児童教育、絵本研究。明治学院大学言語文化研究所研究員、横浜国立大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。