内容説明
多文化社会の現実を前に問われるシティズンシップの理念。自己責任論を振りかざす新自由主義的な政策は、深い社会的分断をもたらすと現地調査に基づき警鐘を鳴らす。
目次
序章 エスニック・マイノリティ政策の新自由主義的転回とコミュニティ
第1章 マイノリティの権利から国益へ―先住民族、庇護希望者、移住者への政策
第2章 コミュニティを通じた統治の展開―北部準州緊急対応と収入管理制度
第3章 土地権を規制緩和する―「格差是正の取り組み」と先住民族共同体
第4章 解放か放置か―庇護希望者の地域社会での抑留
第5章 選別と空間的管理の行方―技能移民と非熟練・半熟練労働者の受け入れ
第6章 移住者の互助を活用した支援―在豪日本人移住者の言語・文化継承
第7章 移住者からの異議申し立て―住民運動から市民運動へ
終章 空間的統治の拡大と分断される社会
著者等紹介
塩原良和[シオバラヨシカズ]
1973年埼玉県生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(社会学)。日本学術振興会海外特別研究員(シドニー大学)、東京外国語大学外国語学部准教授などを経て、慶應義塾大学法学部教授。専門領域は国際社会学・社会変動論、多文化主義・多文化共生研究。オーストラリアと日本を主なフィールドとして、多文化化する社会に関する研究を進めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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