内容説明
西欧における日本女性のイメージはいかにして形成されたか―。ロティの『お菊さん』、ロング、ベラスコ、プッチーニの『蝶々夫人』を、サイードが指摘する「再構成と繰り返し」の過程として読み直し、レーヴェン『バタフライ』における自己相対化の手法、ウォン『M・バタフライ』における異性装のパフォーマンスにジェンダーの本質と模倣の構造を探る。
目次
第1章 ピエール・ロティ『お菊さん』(一八八七/九三)―幻想に裏切られた西洋人がみた日本女性
第2章 ジョン・ルーサー・ロング『蝶々夫人』(一八九八)―現実からイメージへの変換
第3章 デイヴィド・ベラスコ『蝶々夫人』(一九〇〇)―原作小説はどのように書きかえられたか
第4章 ジャコモ・プッチーニ『蝶々夫人』(一九〇四)―西洋の観察者、東洋の死体
第5章 パウル・レーヴェン『バタフライ』(一九九八)―バタフライはなぜ宿命の女ではないのか
第6章 デイヴィド・ヘンリー・ウォン『M・バタフライ』(一九九八)―パロディによる「美しい物語」の解体
著者等紹介
小川さくえ[オガワサクエ]
長崎県に生まれる。大阪市立大学大学院博士課程修了。ドイツ文学専攻。宮崎大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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