出版社内容情報
人類はそんなに貧しいのか? なぜ分かち合えないのか? これまで社会政策上の問題としてのみ議論されてきたベーシックインカム運動を、社会システムの転換を求める運動としてとらえる試み。18世紀イングランドに生まれイラン、カナダ、アイルランド、スペイン、ブラジル、南アフリカ、ナミビア、トルコ、そして台湾、韓国へと波及したベーシックインカム運動の理論と実践およびグローバルな連帯を論じる。
【目次】
まえがき──人類はそんなに貧しいのか? なぜ分かち合えないのか?(岡野内 正)
第1編 歴史
第1章 18世紀末イングランドにおけるベーシックインカム運動の生誕──トマス・スペンスによる総有財産権拡充・地代収入均等配分・地主階級廃絶運動(岡野内 正)
第2章 資本主義と共に越境するベーシックインカム運動──19世紀前半のスペンス主義者と奴隷解放運動(中村理玄)
コラム1 戦間期イギリスにおけるベーシックインカム論の意義──イギリス福祉国家の陰画(永嶋信二郎)
第3章 イギリス労働者階級の女性解放運動とベーシックインカム(山森 亮)
コラム2 ケアインカムの要求──「家事労働に賃金を」から「グローバルな女たちのストライキ」へ(堅田香緒里)
第4章 先住民族運動と入植者民主主義運動との交差──1970年代アラスカに生まれた二つのベーシックインカム的制度(岡野内 正)
第5章 イランにおけるUBI制度の導入と失敗──その政治経済学的な背景と社会運動との関係性(ケイワン・アブドリ)
コラム3 イランにおけるUBI研究の動向(ケイワン・アブドリ)
第6章 モンゴル国における人間開発基金──資源国家におけるベーシックインカムの構想と崩壊(小林秀高)
第2編 現状
第7章 連邦制民主主義国家における貧困撲滅運動と州政府の模索──カナダにおけるベーシックインカム運動(田中俊弘)
コラム4 アメリカのベーシックインカム(本田浩邦)
第8章 新自由主義経済政策が生み出した社会的緊張への政治的応答──グレートブリテン、北アイルランド、アイルランド(南野泰義)
第9章 スペインにみる最低所得保障の政治──急進左派とカタルーニャに揺れた10年(中島晶子)
コラム5 イベリア半島におけるベーシックインカム──普遍的社会権と領域的主権(横田正顕)
コラム6 フランスの働くことと休むこと、そしてベーシックインカム(中筋直哉)
コラム7 ドイツ政党政治におけるベーシックインカム(小野 一)
コラム8 ドイツチケット──移動の自由の保障としてのベーシックインカム?(中田 潤)
第10章 ポスト軍事独裁の連邦制国家における生存権保障の連帯経済運動──ブラジルにおけるベーシックインカム運動(山崎圭一)
第11章 南アフリカとナミビアにおけるベーシックインカム運動の軌跡と現在地(牧野久美子)
第12章 トルコにおける公正発展党の社会保障──社会保障政策の裏にある政治的含意(今井宏平)
コラム9 中東・北アフリカ
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