グローバル市民社会論―戦争へのひとつの回答

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  • サイズ B6判/ページ数 276p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588622083
  • NDC分類 362.06
  • Cコード C3031

出版社内容情報

冷戦後の紛争やイラクに見られる新たな戦争といった暴力の連鎖を抑止する、国境を越えた市民社会の形成とその諸アクターの役割を考察

内容説明

下からの民主化によるソ連・東欧での社会主義体制の崩壊や発展途上諸国における権威主義体制の崩壊、その後の冷戦の終結とグローバルな相互連関といった大きな変化のなかで、「市民社会」という言葉や概念も従来とは異なる意味合いをもつようになってきた。いまや私たちは、国家領域に基礎をおく垂直的な市民社会形態に代わって、水平的で国境横断的な、市民的か非市民的かを問わずグローバルなネットワークの台頭を目の当たりにしている。本書は、市民社会の概念とその歴史的形成を問い直し、そこでの諸アクターの役割にも注目しながら、冷戦後に頻発する紛争や「対テロ戦争」にみられる新たな暴力の連鎖を、どのように抑止していくかを考察する。

目次

第1章 グローバル市民社会のもつ五つの意味
第2章 市民社会の言説
第3章 一九八九年の理念―グローバル市民社会の概念の起源
第4章 社会運動・NGO・ネットワーク
第5章 グローバリゼーション・国家・戦争
第6章 九月一一日―「外部」が戻ってきたのか?

著者等紹介

カルドー,メアリー[カルドー,メアリー][Kaldor,Mary]
1946年生まれ。サセックス大学を経て、現在はロンドン政治経済学院(LSE)グローバル・ガバナンス研究センター所長・教授。専攻=国際関係論、グローバル市民社会論。1980年代にE.P.トムスンたちとヨーロッパ核軍縮運動(END)の創設に参画、また東ヨーロッパの人権問題に携わるヘルシンキ市民評議会(Helsinki Citizenship Assembly)の創設をも主導し、ヨーロッパにおける市民社会運動の学問的・実践的活動に参加。毎年刊行されるGlobal Civil Societyの編集責任にも携わる

山本武彦[ヤマモトタケヒコ]
1943年生まれ。静岡県立大学教授を経て、早稲田大学政治経済学術院教授。専攻=国際政治学

宮脇昇[ミヤワキノボル]
1969年生まれ。松山大学助教授を経て、立命館大学政策科学部准教授。専攻=国際政治学

木村真紀[キムラマキ]
1969年生まれ。ロンドン政治経済学術院(LSE)で博士号取得。専攻=ジェンダー・スタディーズ。現在はオープン・ユニバーシティ(イギリス)研究員

大西崇介[オオニシタカユキ]
1976年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程在学中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ikkoku-Kan Is Forever..!!

1
グローバル化という文脈のなかで、可能性としての「市民社会」と反動としての「新しい戦争」を状況認識として提示するのは、なるほど今まさに日本を取り巻くジレンマだなと思うんだけれど、本来「公共性」というものはフツーには出てくる概念ではないと思うんですよ。例えば、丸山眞男においても、それは丸山思想史の主体性論から丸山政治学に抜けていく形で方法論的に演繹される青写真に過ぎない。国家と個人という文脈から如何なる形で公共性という概念が演繹されるのかという点、筆者の思考変遷をむしろみたい。二章の話はこれから勉強します。 2013/07/10

メルセ・ひすい

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※冷戦後に頻発する紛争や「対テロ戦争」にみられる新たな暴力の連鎖を、どのように抑止していけばよいのか−。市民社会の概念とその歴史的形成を問い直し、そこでの諸アクターの役割はいかにあるべきか・・・カルドーは権威国家主義や軍事主義と戦うためには、権利の保護についてのグローバル・ネットワークや制度的保障というインフラを構築することが不可欠という。そしてさらに、国際人道法の強化や国際法の公平な適用等を通じた安全保障を獲得するためにグローバル市民社会が必要だとする。                 2008/03/13

メルセ・ひすい

0
9-55 赤58 権利と保護のネットワーク構築を提起する。‘80年代から‘90年代にかけてソ連・東欧の共産主義体制に対向する理念や活動が東欧や中欧で活性化して西欧の平和運動とも交流をもち、ベルリンの壁崩壊につながった。また通信や交通の発展は、西洋と非西洋の区分崩壊を進め、ラテンアメリカ等の開発途上国の軍事的権威主義体制に対しても、同様のグローバル・ネットワークが形成された。そこで著者は「市民社会」の行為主体に注目する。※2008/03/10

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