出版社内容情報
米国の単独行動主義的政策が浸透する世界において、グローバル化と帝国の関係を歴史的かつ万華鏡的に捉え直す
内容説明
グローバル化と帝国は、アメリカを媒介にしたパラレルな現象である。アメリカの南部経済と冷戦状況から新自由主義的グローバル化が、そしてアメリカの経済的・軍事的単独行動主義から新自由主義的帝国が解き明かされる。アメリカ型のグローバル化は、合わせ鏡のように国内外に反響し合いながら、いたるところで紛争や不平等を再生産している。さまざまな文化的な言説はこうした不平等なグローバル化を説明できないままでいる。アメリカ例外主義の傲慢に対するひとつの対抗策は、アジアとヨーロッパの連携にある。本書は、このような問題関心が必然的に要請する包括的・複合的な視角から、アメリカによるグローバル化と帝国の増幅過程を描きだす。
目次
第1章 新自由主義的グローバル化
第2章 権力のシナリオ
第3章 隠喩としての帝国
第4章 新自由主義的帝国
第5章 グローバルな不平等―政治への回帰
第6章 紛争―労働、戦争、そして政治の技術
第7章 北と南のグローバル化
第8章 超・超大国例外主義
第9章 資本主義の多様性―エンロン以後のアジアとヨーロッパの対話
著者等紹介
ピーテルス,ヤン・ネーデルフェーン[ピーテルス,ヤンネーデルフェーン][Pieterse,Jan Nederveen]
オランダのアムステルダム大学、ガーナのケープ・コースト大学、ニューヨーク州立大学ビンガムトン校教授を歴任、ドイツ、日本、インドその他で招待教授として滞在した経験をもつ。現在、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校社会学教授(グローバル社会学)。研究の関心は、グローバル化、開発研究、間文化研究(intercultural studies)におよぶ。世界芸術科学アカデミー(the World Academy of Art and Science)会員
原田太津男[ハラダタツオ]
1964年生まれ。1987年、同志社大学法学部政治学科卒業。1995年、大阪市立大学経済学研究科後期博士課程単位取得退学。中部大学国際関係学部教授。専攻:世界経済論
尹春志[ユンチュンジ]
1967年生まれ。1991年京都大学経済学部卒業。1997年京都大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。山口大学経済学部准教授。専攻:世界経済論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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