出版社内容情報
帝国日本の出版市場は合法/非合法を問わず、植民地の人々を積極的に読者として包摂しようとした。朝鮮人にとって日本語は抑圧する言語であり、抵抗の思想を学ぶための言語であり、娯楽のための言語でもあった。『戦旗』や『キング』、マルクスやレーニン、金子文子や火野葦平、林芙美子らの思考や文学が、発禁本とともに帝国の支配圏でいかなる思想や文化を醸成したのか、多彩な作品から読み解く。
内容説明
当局の厳しい取り締まりにあった書物も、玄界灘を行き来しながら露店や貸本屋、回し読みなど非公式ルートでしたたかに生き延びていた事実に着目する。
目次
第1章 プロレタリア
第2章 図書館
第3章 不逞鮮人
第4章 検閲
第5章 資本
第6章 植民地
第7章 翻訳
第8章 戦争
著者等紹介
高榮蘭[コウヨンラン]
韓国光州広域市生まれ。2003年日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、日本大学文理学部教授。近現代日本語文学、翻訳、ポストコロニアル文学研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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