出版社内容情報
日本列島は日本人のものなのか。この問いにきちんと答えることは実は難しいのではないか。国家が領土を持つのは当たり前だと思われている。だが、なぜその領土支配は正当だと言えるのか。現在、世界各地で、国境管理や天然資源をめぐる領土や境界線にまつわる問題が頻発している。本書はこうした問題を解決するうえでの一つの哲学的な糸口を探求する。領土とは何か、規範理論から問う。
内容説明
日本列島は日本人のものなのか。あふれる移民、カシミールやクルドの分離独立運動、漁場や海底資源をめぐる争いなど、世界中で頻発する領土や境界線の問題を哲学的によみとく。
目次
第1章 なぜ領土の政治理論が必要なのか
第2章 領土とは何か―概念的な分析と正当化の重荷
第3章 領土権の基盤―個人の道得的居住権・集団の道徳的占有権・人民の自決権
第4章 非国家主義者による領土論
第5章 機能主義および国家主義に基づく領土論
第6章 中核をなす土地、係争地、分離独立、境界線
第7章 土地、領土、所有地の不正な取得と矯正的正義
第8章 領土権と天然資源
第9章 領土権と国境や移民を管理する権利
第10章 領土保全の権利と武力行使の正当性
第11章 結論
著者等紹介
ムーア,マーガレット[ムーア,マーガレット] [Moore,Margaret]
カナダの政治哲学者。カナダのウェスタン大学にて哲学修士号を取得後、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスにて、ジョン・シャルヴェの指導のもと、政治学博士号を取得。その後、カナダのヨーク大学、ウォータールー大学を経て、クイーンズ大学政治学部(および哲学部)教授、ならびに民主主義と多様性研究センターのセンター長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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