出版社内容情報
敗戦時、軍人を除き30万以上の日本人が台湾で暮らしていた。自分は被植民者より優れた存在だと考える人々はどんな日常生活を送り、それを表現したのだろうか。そもそも「日本人」とは誰のことだろうか。ほとんど無名の「日本人」作家たちの小説やラジオドラマを通じて、帝国日本の集団的な空想の一端を明らかにする。国民を担保するのは「国語」か旅券か血液か。
内容説明
「本物」の日本人とは。日本の支配下で序列化された沖縄人や台湾人。国民を担保するのは「国語」か旅券か血液か。小説やラジオドラマから浮かびあがること。
目次
第1部 植民地台湾の「贋」日本人たち(「植民地は天国だった」のか―沖縄人の台湾体験;萬華と犯罪―林熊生「指紋」を読む;司法的同一性と「贋」日本人―林熊生「指紋」を読む・その二;植民地の混血児―「内台結婚」の政治学)
第2部 描かれた「蕃地」と「蕃人」―好奇心と怖れと(「楽耳王」と蕃地―中山侑のラジオドラマを読む;「兇蕃」と高砂義勇隊の「あいだ」―河野慶彦「扁柏の蔭」を読む)
第3部 海を渡る台湾人(看護助手、海を渡る―河野慶彦「湯わかし」を読む;「大陸進出」とはなんだったのか―紺谷淑藻郎「海口印象記」を読む)
第4部 美談と流言(震災・美談・戦争期世代―「君が代少年」物語を読む)
著者等紹介
星名宏修[ホシナヒロノブ]
1963年兵庫県生まれ。立命館大学大学院文学研究科修士課程修了。琉球大学法文学部をへて、2010年4月から一橋大学大学院言語社会研究科(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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