内容説明
新しい文化のかたち、“世界のクレオール化”を歴史的な視野のもとに展望する。
目次
第1章 多様な対象
第2章 多様な用語
第3章 多様な状況
第4章 多様な反応
第5章 多様な帰結
著者等紹介
バーク,ピーター[バーク,ピーター][Burke,Peter]
1937年イングランド生まれ。文化史家。オクスフォード大学時代はK.トマスのもとで歴史を学び、同大学院ではH.トレヴァー=ローパーを指導教官とする。サセックス大学講師ののち、1979年からケンブリッジ大学。現在は同大学エマニュエル・コレッジ名誉教授。現代の文化史研究の第一人者といわれ、外国語に翻訳されている著作の数がもっとも多いといわれる現代イギリスを代表する知識人のひとり
河野真太郎[コウノシンタロウ]
1974年生まれ。専門はイギリス文学と批評理論。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程を単位取得退学。現在、一橋大学大学院商学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うえ
8
「現代における、異種混淆性を肯定するリベラルな良心の背後には、植民地主義や民族浄化の悪魔的な記憶が疚しさとして存在しており、疚しさを基礎とする政治にありがちなように、それは新たなドグマを招来することもあるのだ。端的に言えば、アメリカを中心とする現代にあって、異種混淆性を認めないのは彼岸の「彼ら」であり、それに対してリベラルな「われわれ」は異種混淆性を理解し、許容し、実践するのだという、それ自体ドグマ的な鏡像関係を呼びこむのである。異種混淆性の要である本質主義批判と…原理主義批判が合流する恐ろしい可能性…」2019/10/18
ゆういち
0
読んでいてひっかかったのは、28ページ。複数的な異種混淆化の例として。「レゲエは1970年代にジャマイカで生じ、それ以来、ドイツから日本まで世界の多くの場所を征服した音楽の形式だ(ちなみに日本では、現地のお祭りである「お盆」に結び付けられた音楽によって準備された、文化的な認識の枠組みを通して受容されているようだ)。」という点。2012/10/22