出版社内容情報
幕末史に名を残すフランスの外交官ロッシュ(1809?1900)は、駐日公使着任以前、北アフリカのイスラーム世界を遍歴し、波瀾万丈の活動に従事していた。アルジェリア植民地の征服過程で、アラビア語に堪能な通訳として自身ムスリムを装い、対仏戦争の英雄アブデルカーデルの信頼を得たのちにやがて袂を分かった激動の年月を回想した自伝。批判的校訂を経た驚異の日本語全訳、詳細な解題・資料付。
【目次】
訳者はしがき 【矢田部厚彦】
凡 例
序 言
はしがき
第一巻 アルジェリアとアブデルカーデル
第一章 アルジェ
第一節 家族と教育についての詳細 / アルジェの父の許に行くことへの嫌悪感 / アルジェ到着と第一印象 / ブラーハム・ラーイス
第二節 ミティージャへの旅 / ナフィーサおばさんを訪ねる / ハディージャ / 両親が彼女を連れ去る
第三節 結婚したハディージャとの再会 / アラビア語を学ぶ / ハディージャとの文通
第四節 ウマル・パシャの家族との関係 / ウマル・パシャについての概説 / スィーディー・ムハンマドの弟であり、 同じくラーッラ・ユムナーとウマル・パシャの息子であるスィーディー・ウマルとの交際
第五節 ミリヤーナでのウマル・パシャの家族 / ウマル・パシャとラーッラ・ユムナーとの息子で、スィーディー・ムハンマドの弟であるスィーディー・ウマルと私との交際
第六節 宣誓通訳・翻訳官に任命される / メデアに総督を置くためのクローゼル元帥遠征 / 遠征に同行する / ガステュ大尉の逸話 / 軍人になる希望を抱いてアルジェに帰る
第七節 ハディージャの許に赴く / ハディージャの夫が彼女を連れ去る。彼女を追跡する計画 / アブデルカーデルの許に行く決心 / イスラーム教徒を装う
第二章 ミティージャとミリヤーナ滞在
第八節 アルジェ出発 / バヌー・ムーサー族の許に滞在
第九節 ブー・ファーリーク近くのハウシュ・シャーウシュ / ヴェルジェ中尉 / ブリダ訪問 / ムフティー、ビル=カースィム / アミールの密使
第十節 ヴェルジェ中尉との別れ / ハジュート族の山賊との遭遇 / ハジュートの首領ムハンマド・イブン・クスィーワルからの歓待 / ミリヤーナへの出発
第十一節 一八三七年十一月二十三日、ミリヤーナ到着 / ウマル・ウルド・ウマル・パシャの出迎え / 彼の打ち明け話 / ミリヤーナ当局訪問
第十二節 婚礼宴 / ウマル・パシャの寡婦訪問
第十三節 宗教的実践
第十四節 対フランス戦争についての悶着 / ハシーシュの夕べ / ズライハー
第十五節 獅子の習性
第十六節 バラーズのスーク・アッ=スラサー、一八三七年十二月
第十七節 ミリヤーナからの出発 / メデアでの夕べ / ブーイラのカーイドの話 / 一八三七年十二月十四日、十五日、ワヌーガ族の許でアミールの宿営地に到着
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