出版社内容情報
数多の芸術の交響が織りなす『失われた時を求めて』。それを可能にした「文体」こそ、小説の核心だった。プルースト芸術論の決定版!絵画、音楽、建築……『失われた時を求めて』では、実在・架空を問わず、数多の芸術作品が交響し、壮麗な物語を奏で上げる。一度は小説を放棄した作家が苦闘の末に見出した「文体(スタイル)」こそ、芸術を自在に織りなしつつ物語を紡ぎ出すことを可能にした。挫折から「文体」の発見に至るまでの軌跡、そしてその道程に潜む本質を深く、あざやかに描く。定評ある著者の集大成となるプルースト芸術論の決定版!
はじめに
凡 例
序章 動体建築としてプルーストを読む
沈黙の深みに
心の間歇
パンゲの菱形
破壊と再創造
ロンドン・ナショナル・ギャラリー
立体心理学
ペイターの場合
不滅の青空
第1章 マドレーヌ菓子と菩提樹のハーブティー
プチット・マドレーヌ菓子の体験
レオニー叔母のお茶――黄金のばら?
両性具有のお茶?
性・聖・生のハーブティー
菩提樹に「隠された技法」
第2章 『ジャン・サントゥイユ』のなかのジョン・ラスキン
プルーストの壁
「見ること」と印象
芸術とは─―ラスキン対ホイッスラー事件
『敵をつくるための優雅な方法』
びん一杯の絵の具を投げて
万神殿での和睦
第3章 翻訳家プルーストの誕生と旅立ち
アミアンへの旅
〈黄金の聖母〉の微笑
アミアンの〈慈愛〉とジョットの〈慈愛〉
記憶の宝石箱
フランボワイヤン様式の聖歌隊席
プルーストの「スタイル」
むすび
第4章 隠喩(メタフォール)─―モネからターナーへ
文体模作「プルースト」
アナロジーの奇跡
文学のほう―─「撞着語法」から「隠喩」へ
絵画のほう─―「曖昧さ」から「隠喩」へ
文学と絵画―─「隠喩」への収斂
諸能力の女王―─隠喩力
むすび
第5章 プルーストとベートーヴェン─―ヴァントゥイユの「七重奏曲」
「ベートーヴェンはお好きですか?」
魂の存在─―ひとつの調子
動く建築─―二つの魂
ロマン・ロラン批判
ベートーヴェンとターナーの共演
心の小鳥に歌わせる
第6章 そして、見出された時
ラスキンとの出会い
心の中への旅
ジョットと日常の美
ターナーと「隠喩」
見出された「時」
初出一覧
あとがき
文献一覧
人名・作品名索引
真屋 和子[マヤ カズコ]
著・文・その他
内容説明
一度は小説の執筆を放棄した作家は、いかにして「文体」を見出したのか?芸術作品の交響が織りなす壮麗な物語を生み出すに至るまでの軌跡―。定評ある著者の集大成となるプルースト論の決定版!
目次
序章 動体建築としてのプルーストを読む
第1章 マドレーヌ菓子と菩提樹のハーブティー
第2章 『ジャン・サントゥイユ』のなかのジョン・ラスキン
第3章 翻訳家プルーストの誕生と旅立ち
第4章 隠喩―モネからターナーへ
第5章 プルーストとベートーヴェン―ヴァントゥイユの「七重奏曲」
第6章 そして、見出された時
著者等紹介
真屋和子[マヤカズコ]
兵庫県に生まれる。慶應義塾大学文学部卒業、慶應義塾大学大学院文学研究科仏文学専攻博士課程単位取得退学。文学博士号取得(慶應義塾大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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