出版社内容情報
20世紀初頭、若き作家は〈生活改革運動〉の影響下、スイスとイタリアの国境地帯にあるアスコーナの地モンテ・ヴェリタに滞在し、自然回帰を志向する放浪の思想家や芸術家らと裸体生活・菜食主義を試みた。複数の小説作品に大きな痕跡をとどめながらも正面から論じられずにいたこの反文明体験の全容を初めて明るみに出す好著。日本の少女漫画にも影響を及ぼした精神/身体文化の源泉に迫る。
内容説明
“真理の山”に作家は何を求めたのか?生身の作家と預言者たちの群像。20世紀初頭、若き作家は“生活改革運動”の影響下、スイスとイタリアの国境地帯にあるアスコーナの地モンテ・ヴェリタに滞在し、自然回帰を志向する放浪の思想家や芸術家らと裸体生活・菜食主義を試みた。複数の小説作品に大きな痕跡をとどめながらも正面から論じられずにいたこの反文明体験の全容を明るみに出す好著。日本の少女マンガにも影響を及ぼした精神/身体文化の源泉に迫る。
目次
第1章 生活改革運動の聖地―アスコーナのモンテ・ヴェリタ
第2章 ガイエンホーフェン時代のヘッセとアスコーナ
第3章 放浪の預言者グスト・グレーザー
第4章 菜食主義者ヘルマン・ヘッセ
第5章 「放浪の預言者」と呼ばれた人びと
第6章 『ペーター・カーメンツィント』の生活改革運動
第7章 生活改革運動家との訣別―『友人たち』(一九〇八年)をめぐって
第8章 ヘッセと日本の特殊な関係
第9章 サナトリウムのヘルマン・ヘッセ
第10章 『デミアン』―夢が現実になる世界
著者等紹介
森貴史[モリタカシ]
1970年、大阪府生まれ。Dr.phil.(ベルリン・フンボルト大学)。現在、関西大学文学部(文化共生学専修)教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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