出版社内容情報
『トリストラム・シャンディ』の奇抜な世界をめぐり,経験論・現象学・レトリックを援用して作品の構成・時間・身体などを論考,スターン文学を新たな側面から照射。
内容説明
本書はスターンの作品論であるとともに、作品にアプローチする方法論でもあり、両者は表裏一体をなしている。二十世紀の革新的な文学作品の祖『トリストラム・シャンディ』論においては、作品世界の土台と考えられる愚者の遊びをもとに、経験論、現象学、マルクス主義、レトリック、フォーマリズム、身体論…を援用しながら、作品の構成、時間、身体などを論じる。さらに後篇に収めた「センチメンタル」流行の源『センチメンタル・ジャーニー』論はその延長線上にあり、総体的に、スターン文学の特異な世界を新たな側面から照射したものである。
目次
プロローグ 伝記についての覚え書き―スターンからトリストラム・シャンディ・ヨリックへの展開
愚者の遊びの軌跡
『トリストラム・シャンディ』における時間とレトリック
身体の遊びと観念連合(ジョン・ロックの『人間知性論』から見た『トリストラム・シャンディ』;ジョン・ロックの『人間知性論』から見た『トリストラム・シャンディ』)
エピローグ 愚者の遊びと神―『センチメンタル・ジャーニー』論
著者等紹介
泉谷治[イズミヤオサム]
1934年、青森県北津軽郡金木町に生まれる。東京大学文学部英文科をへて、1962年、同大学院修士課程終了。現在、法政大学文学部教授
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