グラウンド・ゼロを書く―日本文学と原爆

グラウンド・ゼロを書く―日本文学と原爆

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  • サイズ A5判/ページ数 627,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784588470042
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

目次

1 残虐行為を言葉に
2 ジャンルとポスト・ヒロシマの表象
3 三つの論争
4 原民喜とドキュメンタリーの誤信
5 詩自身へ抗う詩
6 大田洋子と語り手の位置
7 大江健三郎―ヒューマニズムとヒロシマ
8 井伏鱒二―自然、郷愁、記憶
9 長崎と人間の未来
10 原爆と核と全体性―小田実
11 結語―それから、のこと

著者等紹介

トリート,ジョン・W.[トリート,ジョンW.][Treat,John Whittier]
日本文学研究者。ワシントン大学准教授を経て、イェール大学教授

水島裕雅[ミズシマヒロマサ]
広島大学名誉教授

成定薫[ナリサダカオル]
広島大学名誉教授

野坂昭雄[ノサカアキオ]
大分県立芸術文化短期大学国際文化学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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メルセ・ひすい

2
14 赤42日本で基督教徒の比率が一番高い・…長崎に 二発目の原爆が落とされた。。キリスト教国アメリカ…このサディスティックな・・・投下した西洋人、つまりユダヤ・キリスト教徒によって奉じられた倒錯的で論理こそ…そうサディストそのもの。。長崎の原爆文学に関する多くの議論の背後のレイヤーのなかにぼんやりと現出し、そして、幾つかの存在する。――のは、ある奇妙な神話…長崎のキリスト教徒たち自身においては、原爆犠牲者としての運命を多分特にキリスト教の、殉教者に対する特別な尊崇と融和させる神話である。「浦上崩れ」…2011/03/01

メルセ・ひすい

1
14-52赤42`95が広島・長崎への原爆投下後50年。原爆文学を客観視 世界から見て…どんな風にみえるのか…アメリカ人の理解度を言う前に邦人は? 原爆は第三次世界大戦の引き金なのか? 原爆!表現できないものを表現しようとする。そこに原爆文学の究極の修辞的アポリアとしてのアイロニーがあるのか…。沈黙によってしか語りえないものを、作家たちはいかにして描いたのか−。直視しがたい原爆文学を自らの問題として正面から、作家に寄り添いつつ直視しがたい原爆文学を正面から見据えその特質・アイロニーの世界を明かにする。2011/02/11

Was

0
あらゆる理論を駆使して文学と原爆の関わりを探る。原爆とアウシュビッツとの比較などやや腑に落ちない所もあるが、全体としては納得できる展開。広島で被爆体験を経た詩人たちは、日本の詩歌の伝統的審美性等から、死を表現するのに適した手段として詩的言語を選んだが、そこには経験の世界か、経験が記号化された世界かを選ばなければならないという葛藤が常に横たわっていた。やはり他者の共感を拒絶するような表現でしか想像を絶する悲劇は言語化できないのだろうか。そして核の破局が起きてしまった今のこの状況を強く意識せざるをえない。2011/07/06

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